「大正ロマン」とは?意味や言葉の使い方、概要(元ネタ)など

「大正ロマン」とは?新語・ネット用語

この記事では、大正ロマンの意味を分かりやすく説明していきます。

大正ロマンとは?意味

大正ロマンとは、大正時代の文化や雰囲気を表す言葉です。

ヨーロッパで流行したロマン主義に影響を受けて生まれたこの言葉は、夏目漱石が「大正浪漫」と名付けた言葉でもあります。

現代でも当時の独特な雰囲気や服装、髪型に憧れる人もいて、真似しては楽しんでいます。

大正時代は個人の解放や海外からの文化が入り込んでは新しい時代を作り出しました。

そんな新しい時代に胸を膨らませていた人々の文化を現代では大正ロマンと呼んでいます。


大正ロマンの概要

15年という短い大正時代は、西欧先進国の文化や産業が国内に入り込み、飛躍的に発展を成し遂げた時代でした。

経済も右肩上がりで工業化も進み、流通から商業にいたるまで前進した活気ある時代だったのです。

そして、当時の芸能や文化を楽しく連載した雑誌が幅広く普及したことでメディアも発展。

経済も発展して人々が娯楽にもお金を使えるようになり、芸能文化も向上していきます。

欧米から入ってきた会社制度も進み、個人商店も発展。

戦争で使われる造船受注も拡大すれば成金という金持ちまで現れた時代。

中流階級が増えてくると“大正デモクラシー”が生まれ、女性と一般市民の地位が向上します。

西洋のように、女性がお洒落して自己主張する。

そして文芸や音楽などの芸術を楽しみ、輸入物を愛好し、身に付けては街を闊歩するお洒落な女性が増えました。

若者の心を掴む大衆文化は一気に広まり、花開きます。

この当時の大衆文化に憧れる人の間で大正ロマンを再現し、世の中に広めていくのです。


大正ロマンの言葉の使い方や使われ方

多くの文化人を生み出した時代。

その当時活躍していた文化人を紹介するとき「大正ロマンを代表する文化人」と使います。

代表する名として島崎藤村、大杉栄、北原白秋、芥川龍之介などが挙げられます。

また、大正時代のロマンティシズムを感じさせる大衆文化や恋愛小説、ファッションを表すときに大正ロマンと言います。

19世紀後半のダダイスムの影響も受けている大正ロマンは現代の人々も魅了しています。

大正ロマンを使った例文(使用例)

・大正ロマンはヨーロッパで流行していたアール・ヌーボーの影響が大きい。

・一世風靡したセノオ楽譜は大正ロマンを代表する画期的なものだった。

・竹久夢二や平塚らいてうは大正ロマンを象徴する今なお人気の文化人だ。

海外で流行ったものが日本に取り入れられて、様々なものに影響を与えます。

とくに、ヨーロッパで流行っていた芸術作品の影響は大きく、当時の人を魅了しました。

当時、本の表紙に竹久夢二の作品を採用したものが人気を博します。

代表的作品に女性を描いた黒船屋があり、当時の若者の心を捉えました。

その竹久夢二を始め、多くの文化人が登場し、当時の文化をより華やかなものにしたのです。

まとめ

今でも大正ロマンの魅力に惹きつけられた人は当時の小説を読んだり、絵を収集するなどして、当時の文化に親しむ人がいます。

当時の様子を知りたい人は、大正ロマン館や高鼻華宵大正ロマン館、竹久夢二美術館などへ行ってみるといいでしょう。

また、東京の歴史ある古本屋では大正ロマン作品を多く扱っています。

日本の近現代文学史、大正デモクラシーについて書かれている本を読んでみるのも勉強になります。