「天然」と「自然」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「天然」と「自然」の違い違い

この記事では、「天然」「自然」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「天然」と「自然」の違い

「天然(てんねん)」という言葉は、「人が人工的につくったものではない性質」を意味しています。

「天然」と比べて「自然」は、「人為的につくられたものではなくて、世界(地球)に元々から存在するもの」を意味している違いがあります。

つまり、「太陽・風・山・川・海」などは「自然」と呼ばれますが、「天然」とは呼ばない違いがあるのです。

「天然」はあくまで「人工的・化学合成的ではない自然に由来する性質」であり、「自然に存在するもの自体」の意味は持っていないのです。

また「自然」には「天然」にない、「意図していないのに勝手に・ありのままで」という意味がある点も異なっています。


「天然」と「自然」の使い方の違い

「天然」「木・草・山・池・海・川・動植物などの人の手によってつくられたものではない、地球上に元からあるもの」という名詞的な意味では使わないところが、「自然」の使い方との違いになります。

「天然」「天然水・天然成分」のように「天然+名詞」のかたちで使うことで、「自然」の名詞的な意味に近い使い方をすることはできます。

しかし、「天然」の言葉単体では、「自然」のような山や海などとイコールの意味を持つわけではありません。

その代わり、「天然」の持つ「ありのままでどこか普通とズレていて面白いさま・天然キャラ」の意味合いは「自然」にはありません。

また「自然」「自然に泣きたくなる・自然な動き」のように「副詞・名詞」として使用できますが、「天然」「天然に・天然な」といったかたちでは使わない違いもあります。


「天然」と「自然」の英語表記の違い

「天然」は、英語を用いて表現すると以下になります。

“natural”……人が手を加えていない天然の。

“spontaneous”……自然状態で自生している。

天然の。

“airhead”……賢くなくておバカな。

天然ボケの。

“goofy”……面白い。

抜けていて愚かな。

天然ボケの。

“goofball”……ドジで間抜けな。

天然な性格。

「自然」は、英語を使って表記すると以下になります。

“nature”……人為的に製造・加工したものではない自然にあるもの。

自然。

“countryside”……都会ではなく、田舎の自然が豊かな土地。

自然。

“outdoors”……室内ではなく屋外にある自然の環境。

自然。

「天然」の意味

「天然(てんねん)」とは、「人が手を加えていないありのままの性質」を意味しています。

「天然」というのは、「人間が意図的に製造・加工・修飾などをしているわけではない自然な状態」を示している言葉なのです。

また「天然」には、「わざとふざけているのではなく、ありのままの振る舞いをしていても常識とズレていて面白いさま・人」という意味合いもあります。

「天然」の使い方

「天然」は、「人が意図的につくったり合成したりしていないありのままの性質」を意味して使われています。

「天然」には、「生来の性質・性格」の意味もあります。

例えば、「天然温泉が含んでいる成分によって、肌荒れや筋肉疲労が癒されやすくなっています」などの文章で使われます。

また「彼女は普通に話しているだけでもおかしくなってしまう天然です」のように、「意図しなくても面白い性質・性格、天然ボケ」の意味でも使用できます。

「天然」を使った例文

・『ロシアは天然ガスの地下資源が豊富なので、自国のエネルギー供給が不足するリスクはかなり低いのです。』

・『文化財保護法を根拠とする天然記念物であるカモシカやアホウドリを勝手に捕獲すると、犯罪として処罰されます。』

・『天然成分でつくられているコンディショナーを使うようになってから、頭皮が荒れにくくなり髪のツヤが増しました。』

・『高校生の頃は天然パーマの髪質が嫌で、バイトのお金を貯めて縮毛矯正をしていました。』

・『天然ボケのキャラを、そのまま芸人として活用するのはかなり難しいのです。』

「天然」の類語

「天然」の類語には、以下の言葉があります。

・『自然(しぜん)』……人為的につくられたものではなく、山・海・岩などのようにはじめから地球上に存在するもの。

・『生まれつき(うまれつき)』……生来的・生得的であるさま。

・『野生(やせい)』……人に飼育・栽培されていない自然界で生きている動植物やその様子。

・『間抜け』……意識することなくバカバカしいことをするさま・人。

「天然」の対義語

「天然」の対義語には、以下の言葉があります。

・『人工(じんこう)』……人為的につくること。自然のものを加工したり変化させること。

・『加工(かこう)』……原材料に手を加えて何らかの完成品・製品をつくること。

「自然」の意味

「自然(しぜん)」とは、「海・山・太陽・月・風・雪・雲・動物・植物・虫など、人の行為に依拠せずに元々からあるもの」を意味しています。

「自然」に人間も含める場合には、「この世界に存在しているあらゆるもの」を指しています。

「自然」の副詞的な意味として、「ひとりでにそうなること・生まれながらに」もあります。

また「自然」には、「意図的ではない・わざとらしさがないさま」の意味も備わっています。

「自然」の使い方

「自然」は、「この世界・地球上にあるすべてのもの・現象」を意味して使う使い方になります。

「自然」の言葉を使う場合には、「人工的・意図的ではない」というニュアンスが含まれます。

例えば、「自然の中でのんびり過ごすと気持ちがやわらぎます」などの文章で使用できます。

さらに「自然に・自然と」のかたちで、「ひとりでに・おのずから」を意味する副詞としても使われます。

「自然」を使った例文

・『自然に恵まれた土地に引っ越してから、アレルギーの症状がだいぶ軽くなってきました。』

・『登山の醍醐味の一つは、山頂から自然のパノラマのような景色を思う存分楽しめることです。』

・『産業革命で近代化して以降の人類は、自然破壊につながる経済活動を拡大してきました。』

・『長時間にわたる畑仕事を毎日していたせいか、自然に腕や脚に筋肉がついてきました。』

・『私を見てニコニコしている無邪気な赤ちゃんの顔を見ていると、自然と笑顔になってしまうのです。』

「自然」の類語

「自然」の類語には、以下の言葉があります。

・『天然(てんねん)』……意図的な人の手が加えられてない性質。

・『ネイチャー』……「自然」を意味する英語。

・『山河(さんが)』……自然界に人の行為とは無関係に存在する山と河川。

「自然」の対義語

「自然」の対義語には、以下の言葉があります。

・『人為(じんい)』……人間の意図・思惑が絡むさまざまな行為。

・『文明(ぶんめい)』……科学・労働・制度などで自然に手を加えて構築した、人間にとって便利で安全な社会環境・物質的な繁栄。

・『意図(いと)』……自然の状態ではない、何かを実現しようとする人の考え・思惑。

まとめ

「天然」「自然」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「天然」「自然」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しくリサーチしたい時は、この記事の解説をチェックしてみてください。

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