小説を読んでいると、表現の差に思い悩むこともあります。
この記事では、「奮戦」と「奮闘」の違いを分かりやすく説明していきます。
難しい用語を、自分のものにしていきましょう。
「奮戦」とは?
奮戦(ふんせん)とは、ありったけの力で戦うことです。
ベストを尽くして取り組むときに用いる、とてもポジティブな表現です。
奮戦は「奮う」と「戦う」が、編まれてできた熟語です。
「奮う」には「自分から進んで」や「気力を振りしぼる」という意味があります。
つまり持っている力を最大限に発揮して、相手と向き合うのが「奮戦」。
100パーセントの力を出し切る状態を、こう呼んでいます。
力の出し惜しみをしない、真面目でひた向きな様子が見てとれます。
使い方としては「強豪のブラジル相手に、大奮戦の試合をおこなった」や「営業成績が前期は芳しくなかったが、後期の奮戦に期待したい」や「社長業に奮戦する」などがあります。
全力で臨むのが奮戦です。
「奮闘」とは?
奮闘(ふんとう)とは、持てる力を出し切って闘うこと。
また良い結果がもたらされるように、精いっぱい努力することです。
奮闘は「奮う」と「闘う」がセットになった熟語です。
先ほどと同じように「奮う」には、全力を傾けるという訳があります。
また普段あまり使わない「闘う」には、困難を乗り越えるという大切な意味合いがあります。
つまり解決できそうにない難しい問題に、自分からぶつかって闘っていくことを「奮闘」と呼んでいるのです。
使い方には「コロナ禍で奮闘する医療従事者に、サプライズ花火が打ち上げられた」や「病気をのりこえ、学業に奮闘する」などがあります。
厳しい現実がおきても、持てる力を振りしぼるのが「奮闘」です。
「奮戦」と「奮闘」の違い
どちらも「奮」の漢字がはいっているので、使い分けに苦慮しやすいです。
「奮戦」と「奮闘」の違いを、分かりやすく解説します。
・大きな問題に立ち向かうのは「奮闘」
「奮戦」と「奮闘」はどちらも、手加減せずにやり切ること。
一生懸命、戦い抜くことです。
「奮戦」と「奮闘」は同じように用いることができますが、より「容易ではない・難しい」というニュアンスが含まれるのが「奮闘」。
目に見えない大きな敵と闘っているとき、進行の妨げとなる由々しき問題があるとき。
苦しい状況には「奮闘」がつかわれます。
自分との戦いをあらわすなら「奮戦」を。
他者との闘いを伝えたいなら「奮闘」がおすすめです。
まとめ
「奮戦」と「奮闘」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも最高のパフォーマンスで戦うこと。
力の出し惜しみをせず、全力で走り抜くことです。
「奮戦」と「奮闘」は同じように使えますが、より難しい課題があるときは「奮闘」を選びます。
すぐには打ち破れなそうな壁があっても、果敢にチャレンジするのが「奮闘」。
自分の限界にチャレンジするのは「奮戦」です。
語句の違いを知って、シーンに合った最適な言葉を選び取っていきましょう。