「奮起を促す」とは?意味や使い方を解説

ことわざ・慣用句

「奮起を促す」

「奮起を促す」の読み方は「ふんきをうながす」です。

決して「ふんきをそくす」ではありません。

確かに「促」は音読みで「ソク」と読みますが、上記のような形で使用する場合は、訓読みの「うなが(す)」が正解となります。

「奮起」「促す」もそれぞれ単独で使用するケースも多い言葉です。

しかし、この2つを組み合わせた「奮起を促す」も割りと頻繁に目にする言葉でしょう。

「奮起を促す」の意味

「奮起を促す」の基本的な意味は「気力やヤル気をふるい起こすように勧める、働きかける」が妥当でしょう。

「奮起」とは気力をふるい起こすこと、強いやる気や精神力を呼び起こすといった意味があります。

次に「促す」ですが、これには「催促する、急き立てる」「ある物事をするように勧める、その気になるように勧める」という意味があります。

「奮起を促す」「急かす」ではなく「勧める」といった意味合いが強く、人の意欲や精神力を引き出すという意味なのです。

「奮起を促す」の言葉の使い方

「奮起を促す」は、自分ではなく相手に対して気力をふるい起こさせる様に働きかける事を指す言葉です。

自分の気持ちを奮い立てるような場合、促すは必要ありません。

単純に「奮起する」と使えばいいのです。

そのため「奮起を促す」は他者に向けて使うと覚えておきましょう。

「奮起を促す」全体でひとつの動詞のような使い方をします。

しかし、実際は細かくみると「奮起」は名詞、「~を」は助詞となり「促す」だけが活用をする動詞です。

そのため「奮起を促して」「奮起を促した」「奮起を促さない」等、6種類の活用をすることが出来ます。

「奮起を促す」を使った例文・短文(解釈)

適切な場面で使用すれば「奮起を促す」は、長文を使わずに短い文章で状況や心情を表現したい時に役立つものです。

そこでこれから、いくつか「奮起を促す」のよくある例文をあげてみます。

それぞれどのような解釈をするのが一般的なのか、考えてみましょう。

「奮起を促す」の例文1

「受験生なのに勉強をしない息子の奮起を促す方法が知りたい」

これは、端的に言うと息子の勉強に対するヤル気が出る方法を知りたいという意味です。

ですが、息子が奮起する方法ではなく「奮起を促す方法」というところにポイントがあります。

つまり、この人物は息子のやる気を出す為に自分はどのように働きかけるべきなのか、その方法が知りたいという事です。

本人だけに任せておけないので、何とか奮起を「促したい」状況だと言えるでしょう。

奮起をするのは息子、それを促すのは自分ということです。

「奮起を促す」の例文2

「社長自らが一人一人を激励し、社員一同の奮起を促した」

社長という普段は社員と立場的に距離のある人物が、一人一人に激励をするという事は、めったにありません。

そのため社長の激励は、社員の奮起を促すには十分でしょう。

こうした立場的にとても上の人物の激励は、ヤル気や気力をふるい起こしたり、引き出す方法のひとつです。

もし、社長の部分に部下をいれるとおかしな文章になってしまうでしょう。

「奮起を促す」の例文3

「ミスをして落ち込む選手の奮起を促したのは、チームメイトの勇敢なプレイだった」

ミスをした事で、これまでの気力を失って弱気になってしまう選手もいます。

そんな弱気になってしまった心にカツを入れ、ふたたび気力を呼び起こさせてくれたのが、チームメイトのプレイだったという事です。

「奮起を促す」は、例文のように、一度気力を失ってしまった相手のヤル気や勇気を再び呼び起こす際にも使われます。

「奮起を促す」の例文4

「妻は夫の奮起を促したが、それは逆効果だったようで、彼はますますやる気をなくしていった」

相手の奮起を促すことは、決して簡単なことではありません。

自分ではやる気を出して貰う為によかれと思った言動や働き掛けが、相手のやる気をますます奪ってしまう結果になることもあります。

この例文のように「奮起を促したが」という文章は、その結果として逆の結果を生んでしまったり、効果がなかった場合の使い方です。