この記事では、「宣告」と「告知」の違いを分かりやすく説明していきます。
「宣告」とは?
「宣告」には2つの意味があります。
一つは、口から言葉を出して知らせることです。
紙に書いて、それを見せて知らせることではありません。
野球の試合のことで考えてみます。
野球の試合には審判があり、アウト、セーフなどを口に出して、選手などに伝えています。
この行為を「審判が宣告」するといいます。
野球の審判は身振りも交えていますが、身振りだけでなく口でも伝えています。
口で伝え知らせているので「宣告」です。
もう一つの意味は、刑事事件の公判廷で、裁判官が判決を口にだして伝えることです。
裁判では最終的に、裁判官が判決を言い渡します。
裁判には、民事裁判と刑事裁判とがあり、刑事裁判の公判廷で判決を言い渡すことを「宣告」といいます。
「宣告」の使い方
口に出して伝えるという意味で使用をします。
とくに刑事裁判の公判廷で、裁判官が判決を口に出して伝えることに使用されます。
「告知」とは?
「告知」には2つの意味があります。
一つは、口に出して伝えること、広く伝えることです。
公の機関から伝えることも、そうでない機関や個人から伝えることも意味しています。
オーディションの募集をしていたとします。
このことを広く人々に伝えるために、ホームページに募集のことをのせました。
この行為は「オーディション募集の告知」ということができます。
広い範囲に渡って人々に知らせています。
もう一つの意味は、当事者の一方の意思表示によって、賃貸契約などの継続的契約を終わらせて、その後にわたっての効力を失わせることです。
契約を消滅させることを告げ知らせるという意味になります。
「告知」の使い方
特定の人や、広く人々に伝えることについて使用されます。
口に出して伝えることだけでなく、SNSやホームページなどで広く人々に伝えることにも使用することができます。
「宣告」と「告知」の違い
どちらの言葉にも告げ知らせるという意味が含まれています。
口に出して伝えるという意味は同じです。
しかし、それぞれの言葉で共通しない部分もあります。
前者の言葉は、とくに刑事事件の公判廷に関して使われることが多いです。
後者の言葉は、公の立場からだけでなく、そうでない機関や個人などから伝えられることも意味しています。
「宣告」の例文
・『余命を宣告された』
・『宣告を静かに聞く』
・『裁判で猶予を宣告された』
・『刑期を宣告される』
「告知」の例文
・『ホームページで告知する予定です』
・『イベントの告知』
・『がんを告知された』
・『来月にイベントが開催されることが告知された』
まとめ
どちらの言葉にも告げるという意味が含まれており、伝えて知らせるという意味は同じです。
しかし、「宣告」は刑事裁判について使われますが、「告知」はそういったことには使われない、といった点に違いがあります。