「尊敬」と「憧憬」の違いとは?分かりやすく解釈

「尊敬」と「憧憬」の違い違い

「尊敬」という言葉は日常生活でも比較的使う機会がありますが、「憧憬」はなかなか使わない方も多いと思います。

この二つはどのように使い分ければよいのでしょうか。

この記事では、「尊敬」「憧憬」の違いを分かりやすく説明していきます。

「尊敬」とは?

国語辞典によると、「尊敬」とは、「その人の人格を尊いものと認めて敬うこと、その人の行為・業績などをすぐれたものと認めてその人を敬うこと」を指します。

「尊ぶ(とうとぶ)」「敬う(うやまう)」から成り立つ言葉なので、文字通り簡単に理解すると「尊び、敬うこと」になります。

「尊敬」の対義語は、「軽蔑」で、こちらは軽んじてさげすむことを意味する言葉です。

「尊敬」を英訳すると、「respect」になります。


「尊敬」の使い方

『私の尊敬する人は父です』『彼のことを尊敬している』といったように、「尊敬する」という形で使われることが多いです。

その他にも『尊敬を得るような人になりなさい』や『尊敬の念を抱く』といった使い方もあります。

また、「尊敬」の対象には、人だけでなく行為や業績なども含まれます。


「憧憬」とは?

「憧憬」は、「しょうけい」又は「どうけい」と読み、「あこがれること」を意味します。

「憧」「憬」はどちらも「あこがれる」と読み、強く心が惹かれることを指します。

「憧憬」には二つの読み方がありますが、「憧」には、「しょう」「どう」という読み方があるのでどちらも間違いではありません。

「憧憬」と似た意味を持つ言葉としては、「愛慕」「讃美」があげられますが、対義語については「忌避」「嫉妬」「幻滅」など意味の異なる様々な言葉があります。

「憧憬」の使い方

「憧憬」は、人や行為だけでなく物や場所に対しても使うことができます。

具体的には、『フランスの暮らしを憧憬する』『ある有名人に対して憧憬の念を抱いている』『彼は憧憬の的だ』といった使い方があります。

「憧憬」は書き言葉で使われることが多く、話し言葉で同じ意味を表現したい場合は「あこがれ」を使うのが一般的です。

「尊敬」と「憧憬」の違い

「尊敬」は話し言葉と書き言葉の両方で使われますが、「憧憬」については、書き言葉で使うのが一般的です。

対象については、人や人の行為だけでなく物や場所も含む「憧憬」の方が幅広くなっています。

「尊敬」「憧憬」はどちらも対象となるものを良いものとしてとらえている点で一致していますが、「憧憬」には「それになりたい」「それを手に入れたい」という気持ちも含まれます。

そのため、ある人を「素晴らしい」と思っていても、その人のようになりたいと思っていないのであれば、「尊敬」ではなく「憧憬」を使います。

敬うこととあこがれることは全く別のことなので注意しましょう。

まとめ

きちんと言葉の意味を理解したうえで上手に使いこなすことができると、大人な言葉の表現ができるようになります。

表現の幅を広げるためにぜひ使ってみてください。

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