「巷間」とは?意味や使い方を解説

意味と使い方

「巷間」

巷間は、「こうかん」が正しい読み方ですが、一般的な読み方はそれとは違い、そちら方で読まれることの方が多いのが一番の特徴です。

その読み方とは「ちまた」で、「こうかん」では分からなくても、この言葉なら知っているという人も多いでしょう。

「巷間」の意味

巷間とは、「世間」「ちまた」「ちょっとした街中(そこら辺)」という意味で使う言葉です。

あまり広い対象という意味はなく、最後の「街中」程度のイメージで捉えてください。

「ちまた」は上記の通り、この「巷間」の読み方としても(間違いですが)定着しているほどで、漢字では「巷」と表記します。

その「巷」「間」を付け、「巷間」となっても意味は変わらないと考えていいでしょう。

「巷間」「ちまた」と読まれているのは、この全く同じ意味だからという点も多いに関係しているのです。

「巷間」の由来・語源

巷間は、ここまでに書いてきたように、「巷」(ちまた)という意味こそが語源で、その「間」と表現する為に作られた言葉だと考えられています。

ですが、「巷の間」という言い方はしないので(「巷」だけで「その間」という意味も含んでいます)、どうしても「間」を文字として入れて使いたい場合には、この「巷間」と使ってください。

無理にそのように表現する必要がなければ、「巷」だけでいいでしょう。

意味は全く一緒です。

「巷間」の英語と解釈

巷間を英語で表現するなら、“society”が一番近い言葉だと言えるでしょう。

この“society”「社会」という意味ですが、「世間」とも訳されます。

よって、「巷間」の英訳として使うことができます。

”world”も「世間」と解釈することができますが、この場合は対象がかなり大きくなり、「巷間」が意味する比較的狭い範囲ではなくなってしまうので、“society”の方が合っています。

また、「そこら辺」という意味で使える“thereabout”という表現もありますが、こちらだと対象が狭くなり過ぎてしまい、すぐ近所だけを表す言葉になるので、やはり“society”が一番です。

「巷間」の言葉の使い方

巷間は、「巷で噂になっている」などと使う言葉です。

前述しましたが、それほど広い範囲を指して使う言葉ではないので、先の表現は「ちょっとした噂になっている」と言い換えてもいいでしょう。

逆に、誰でも知っているような大ヒット作などには使わない言葉です。

「世間」と言っても、あくまで狭い範囲でのそれだと考えてください。

「巷間」を使った例文・解釈

巷間を使った例文です。

いずれも「巷」と置き換えても意味は一緒で、どちらの使い方をしても構いません。

「巷間」の例文1

「彼は巷間ではちょっとした有名人だ」

その地域では有名だという人に対して使っている例になります。

全国区ではないものの、対象となる周辺では著名な地元の名士などがこのように表現されることがあります。

「巷間」の例文2

「巷間でしか知られていないと思ったが、意外と広く浸透しているらしい」

その周辺だけの流行りだと思っていた対象が、もっと広い範囲で知られていたと言っています。

例えば、地元のライブハウスでしか演奏を行わないグループに、思ったより広い範囲にファンが居たといった場合です。

「巷間」の例文3

「巷間で聞いた話では、あの店は来月で閉店するらしい」

狭い範囲を指して使う言葉だということが分かる例文です。

巷間が示す範囲はその程度だと考えて使ってください。

「巷間」の例文4

「この呼び方は巷間でしか通用しないようだ」

地方によって独特の呼び方がある物などについて使っています。

例として、東北では氷のことを「スガ」「シガ」と呼びますが、それ以外の地方ではまずそうとは呼ばない為、この例文のように使います。

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