この記事では、「幻視」と「幻覚」の違いを分かりやすく説明していきます。
「幻視」とは?
実際にはそこにないものが、あるように見えることです。
何が見えるかは人それぞれ違います。
たとえば、昆虫、小動物、幽霊などが見えることがあります。
自身が知っているものが見えることが多く、一度も見たことがないもの、知らないものはあまり見ないようです。
たとえば、ユニコーンを知らない人なら、ユニコーンが目の前にいるように見えることはほとんどありません。
なぜこのような現象が起こるのか、その理由はさまざまです。
レビー小体型認知症の初期から、この症状がみられることがあります。
また、アルコール中毒、薬物摂取などでも、このような症状がみられます。
認知症が原因でこのような現象がみられる場合、周囲の人は落ち着いて行動をする、本人に安心感を与えるなどの行動をとることが望ましいです。
暗い状態で見えることが多いので、部屋を明るくするようにします。
また、場合によっては薬物で症状を抑えていきます。
「幻視」の使い方
そこにはないものを、そこにあるように見えることを指して使用します。
「幻覚」とは?
実際には感覚刺激がないのに、そこにあるかのように感じることです。
物が見えたと認識をするのは、網膜に光が到達し、その刺激が信号に変えられて脳に伝わり、脳が信号を処理するからです。
光の刺激がなければ、そこに物があるとは認識できません。
たとえば、目の前にリンゴがあるとします。
リンゴに当たった光が網膜に到達し、その刺激が信号に変わって脳に到達し、脳が処理をすると、リンゴがあると認識されます。
手に何かが触れたと感じるのは、皮膚にある触覚受容器が刺激を感知し、それが信号に変えられて脳に伝わり、脳が刺激を感じたと認識するからです。
「幻覚」は、感覚器がこういった刺激を受けていないにもかかわらず、そこにあるように感じる現象のことです。
たとえば、何も皮膚に触れていないのに、何かが触れたと感じるなどをいいます。
「幻覚」の使い方
感覚刺激や対象がないのに、そこにあるかのように感じることを指して使用します。
聴覚、視覚、触覚、味覚などについていいます。
「幻視」と「幻覚」の違い
「幻覚」は見る、聞く、触れる、味を感じるなどの働きについて、そこにはないのに感じることをいいます。
「幻視」は「幻覚」の一種です。
「幻視」の例文
・『幻視に悩んでいる』
・『もしかしたら、幻視なのでは?』
・『幻視に怯える』
・『そこにいるといっても、幻視だといって信じてもらえない』
「幻覚」の例文
・『幻覚に苦しんでいる』
・『幻覚について医師に相談をする』
・『あれは幻覚だったのか』
・『幻覚が現れて暴れる』
まとめ
どちらの言葉も、実際にはないものをあると感じるという意味を持っています。
しかし、何を感じているのかが違います。
見ることだけなのか、見ること・聞くこと・触れることなどさまざまなものを含むのか、という点が違います。