この記事では、「待遇」と「処遇」の違いを分かりやすく説明していきます。
「待遇」とは?
「待遇」には主に3つの意味があります。
1つ目は人をもてなす行為です。
ホテルなどのサービス業において、おもてなしを行うことを「待遇する」と言います。
2つ目は雇用者が労働者に対し給与や勤務時間など労働に対し条件を与える、取り扱う、といった意味となります。
3つ目は地位そのものを表す際に用いられます。
また、その地位に準じた扱いを必要とする立場の場合にも用いられています。
「待遇」の使い方
「待遇」の使い方は、3つのそれぞれの意味によって異なります。
1つ目の人をもてなす行為に対しては、「待遇の良いホテル」、「お客様として待遇する」など。
2つ目の雇用者が労働者に対し使用する意味としては、「給与の待遇」、「勤務時間の待遇」、「待遇面の希望」、「待遇の改善」など。
3つ目の地位やそれに準ずる取り扱いとして使用する意味としては、「部長待遇」、「役職待遇」などがあります。
「処遇」とは?
「処遇」は、その人に対する扱いを意味します。
人が人を評価し、それに対した適切な取り扱いを行うことを「処遇」と言い、その人に対し適した地位、仕事、部署、などを決めることを意味します。
ただし、評価する人には特定の立場が必要です。
どんな立場の人でも自由に評価することができるものではありません。
また、良い意味で使用されること以外にも、仕事で失敗し罰を与える際にも「処遇」は使用されます。
「処遇」の使い方
特定の立場の人によって評価した結果を意味する「処遇」の使い方としては、「経歴に合った処遇」、「業績に合った処遇」などがあります。
また、「処遇改善」といった言葉があるほか、介護職員に対する国の制度を表すものとして、「処遇改善手当」や「処遇改善加算」といった言葉もあります。
「待遇」と「処遇」の違い
以上のことから、「待遇」と「処遇」は全く違った言葉だということがわかったことと思います。
「待遇」は、お客へのおもてなし。
職場などで立場や給与、勤務時間などの扱い方を決めること。
その人に地位に対しふさわしい扱いを受けることを意味します。
一方、「処遇」は、その人に対しふさわしい地位や役職などを決めることを意味します。
両者には、以上のような明確な違いがあります。
「待遇」の例文
・『あのホテルは、客への待遇がすばらしいと有名です。』
・『彼に対する会社の待遇はひどいと思います。』
・『最近、教職員の待遇が悪いと問題になっています。』
・『転職先では、部長待遇を考えてくれているようです。』
「処遇」の例文
・『社長退任後の処遇がどうなるのか気になる。』
・『彼は、経歴に合った処遇を受けるべきです。』
・『上司に課長として処遇すると言われ、とても嬉しいです。』
・『社員一同で、処遇改善を行いたいと思う。』
まとめ
同じようで実際には、まったく同じ意味を持たない「待遇」と「処遇」。
そのため、間違った使い方を行わないよう、何に対する言葉なのか、誰に対する言葉なのか、よく考え使用することをおすすめします。