「従来」と「以前」の違いとは?分かりやすく解釈

「従来」と「以前」の違い違い

この記事では、「従来」「以前」の違いを分かりやすく説明していきます。

「従来」とは?

従来とは、じゅうらいという読み方をすべき言葉です。

漢字で表現されているのを見れば理解出来ますが、後について行くとか付きしたがうという意味を有する従に、現在よりも後の時期とか将来、未来といった意味を持つ来の字を付け足して誕生した言葉となっています。

なので従来は、以前からこれまでとか今までという意味を持つ言葉となっているのです。


「従来」の使い方

従来は持つ意味合いから、時を表す言葉として使われています。

それも具体的には過去から今のこの時まで、という範囲を表す事が可能です。

しかも過去に関しては数年前までという縛りはないので、広い範囲を示す事も出来ます。

更に使われ方としては、従来品という表現も多く見られ、既に新しい商品が出ているものの、その前にその会社が出していた同様の商品を表現したい時に用いられているのです。


「以前」とは?

以前とは、いぜんという読み方をする言葉となっています。

文字で表記されているのを目にすれば分かりますが、ある時を起点にしてそれよりもとか~を用いてといった意味を持つ以に、ある時点よりも早いとかまえといった意味がある前を組み合わせる事で成立した言葉です。

だからこそ以前は、その時点よりも前とか今から見て近い過去といった意味を有する言葉となっています。

「以前」の使い方

以前の使い方として多く見られるのが、その時を含んだ上でそれより前という意味を表したいケースです。

具体的には例えば2月6日以前という形で、2月6日を含んだ過去を示す事が出来ます。

加えて以前という言葉は、近い過去と遠い過去のどちらに対しても使われる事も、覚えておくべきです。

「従来」と「以前」の違い

従来と以前は、そもそも使用される漢字や読み方もまるで違います。

ですがどちらも、時間に関する意味合いを持つという類似点があり、使い分けの際に迷ってしまう人もいたりするのです。

もっとも従来は、昔から今という時までという大雑把な意味合いで表す際に用いられる言葉となっています。

一方の以前は、5月以前といった形で基準となる時を表した上で、その時を含んだ過去という意味で使用すべき言葉です。

「従来」の例文

・『この治療法を確立出来れば、従来の方法よりも多くの患者さんの命を救えるはずです』
・『このメーカーの新製品は、従来品よりも1. 5倍もバッテリーが長持ちするらしい』

「以前」の例文

・『うちの会社の商品がTVに取り上げられたお陰で、5月以前に比べて売上げが倍以上に増えています』
・『彼は今のチームに加入する以前は、練習をさぼりがちでした』

まとめ

2つの言葉は使用されている漢字も、読み方もまるで違います。

ですが時を表す言葉同士であるため、意味の違いをきちんと理解していないと、混同する恐れがあるのです。

ちなみに従来は、昔から現在までという時間を示す言葉となっています。

以前の方は、基準となる時を示した上でその基準を含んだ過去という時を表す言葉です。

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