「思い浮かべる」と「想像する」の違いとは?分かりやすく解釈

「思い浮かべる」と「想像する」の違いとは?違い

この記事では、「思い浮かべる」「想像する」の違いを分かりやすく説明していきます。

「思い浮かべる」とは?

「思い浮かべる」とは、イメージや過去の思い出を頭に浮かび上がらせることです。

これは、動詞の「思う」「浮かべる」を組み合わせた複合動詞です。

複合動詞の前にある動詞は主語に、後に来る動詞は述語の役割を持つようになるので、言い換えると「思うこと」「浮かべる」という文が成り立ちます。

「思う」は考えたり心で感じたりすることで、「浮かべる」はものを浮かせることをあらわすほか、記憶がよみがえることも表します。

このことからも「思い浮かべる」は、考えたり感じたりしたことがふと頭に浮かんでくる様子を指していることが分かります。

「思い浮かべる」は、じっくり考えるのではなく、知っていることを頭にぼんやりと浮かべることを指しています。

主に、過去の思い出、知っている光景などを頭や心の中に浮かべることが多いです。

似ている言葉には「脳裏に浮かぶ」「まぶたに浮かぶ」などがあります。

これらの言葉も、思い出や情景が浮かび上がっている様子を表しています。


「思い浮かべる」の例文

・『野菜を送ってくれた祖母の顔が思い浮かべながら、その野菜を美味しくいただいた』
・『読書感想文を書く時は、小説に出てきた場面を頭に思い浮かべ、主人公の気持ちになりきって考えてみる』


「想像する」とは?

「想像する」とは、実在しないこと、経験していない事柄を思いはかることです。

漢字の「想」は心の中でおもうこと、頭の中にものの形状が浮かぶことを表します。

また「像」は姿や形を意味しています。

これらの漢字を組み合わせた「想像」は頭や心の中で考えたりものを形どったりすることを表しています。

「想像する」は名詞の「想像」「する」をつけて動詞化したものです。

「想像する」とは、知っていることを思い起こすのではなく、まだ知らないこと、分からないことを自分なりに推しはかって考えを出すことです。

これから起こる現象、現実にない物語、人が起こす行動などを頭の中に描くことを指します。

類語には「思い描く」「空想する」「妄想する」などがあり、「思い描く」はものを形どるところが「想像する」と共通しています。

「空想する」「妄想する」は現実にあり得ないものを考えるニュアンスがあるため、現実的なことも考える「想像する」とは意味が少し離れます。

「想像する」の例文

・『ステーキが食べられることを想像しただけで、よだれが出てきそうだよ』
・『私の年収がいくらなのか、それはあなたの想像にお任せします』

「思い浮かべる」と「想像する」の違い

「思い浮かべる」「想像する」の違いを、分かりやすく解説します。

「思い浮かべる」とは、イメージや過去の思い出を頭に浮かび上がらせることです。

「想像する」は、実在しない、まだ経験していない事柄を思いはかることです。

「思い浮かべる」で頭に浮かぶのはすでにある記憶や情報ですが、「想像する」ときに頭に描くのは存在していない情報です。

「想像する」は、ないものを自分で考え頭の中に描いていくところが「思い浮かべる」と異なっています。

まとめ

「思い浮かべる」「想像する」は、どちらも思う、考えることを表しており、互いによく似た言葉となっています。

意味や使われる場面は少し違うので、混同しないよう適切に使い分けていきましょう。

違い
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