突然の出来事や、思いがけないことに直面したときに「愕然とする」という言葉が使われますが、この言葉の意味や語源、使い方とはどういったものなのでしょうか? また、似たような言葉である「唖然とする」、「呆然とする」との違いとは? この記事では、「愕然とする」の意味を分かりやすく説明していきます。
「愕然(がくぜん)とする」の意味とは?
予想だにしなかった出来事や思いがけない事態に対して、「とても驚く様子」や「非常に驚いた様子」を表す言葉です。
「愕然」の語源
「愕然」の語源は中国で、日本語の意味と同じく驚いた様子を意味しています。
「驚く」という意味の「愕」に、「そのさま」や「その状態」など「様子」を意味する「然」で、「驚いている様子」を表しています。
あまり一般的ではありませんが、「驚く」を「愕(おどろ)く」と表記することもできます。
「愕然とする」の類義語
「愕然とする」と同じように、物事に動揺して「非常に驚いた様子」を表す言葉に以下があります。
・「驚倒する」
・「驚愕する」
また、似たような言葉に「唖然とする」や「呆然とする」があります。
「唖然とする」とは、驚きのあまり声も出ない様子を表しています。
「唖」とは、もともと「障害により、言葉を発することができないこと」を意味しており、そこから転じて、驚いた挙句、ものが言えなくなった様子を指すようになりました。
「呆然とする」とは、驚きのあまり呆気にとられる様子や何も考えることができなくなった様子を表しています。
「呆」とは、「呆(あき)れる」や「ぼんやりする」という意味です。
「愕然とする」の対義語
「非常に驚いた様子」を表す「愕然とする」とは反対の意味で、物事に動じずに、冷静沈着な様子を表す「平然とする」や、腰を据え、落ち着いている様子を表す「泰然とする」という言葉があります。
「平然とする」の「平」は「普通」や「通常」を意味しており、「泰然とする」の「泰」は「ゆったり落ち着いているさま」や「ゆとりがあるさま」を意味しています。
また、上記の言葉の他にも物事に動じずに、冷静沈着な様子を表す言葉として、以下があります。
「平気でいる」
「自若(じじゃく)としている」
「従容/縦容(しょうよう)としている」
「愕然とする」の使い方
物事に対して、「とても驚いている様子」を表すときに使用されます。
「愕然とする」を使った例文
・『予想だにしなかった展開に愕然とする』
・『明日に抜き打ちテストがあることを知らされ、愕然とする』
・『思いがけない結果に愕然としてしまった』
・『自身の些細なミスが重大事故に発展してしまい、彼は愕然としていた』
まとめ
「愕然とする」とは、予想だにしなかった出来事や思いがけない事態に対して、「とても驚く様子」や「非常に驚いた様子」を表す言葉です。
語源は中国語で、「愕」は「驚くこと」を意味し、「然」は「そのさま」や「その状態」を意味しています。