気持ちをあらわす表現は、星の数ほどあります。
この記事では、「慢心」と「満身」の違いを分かりやすく説明していきます。
色々な技法を学んで、文章の達人を目指していきましょう。
「慢心」とは?
慢心(まんしん)とは、調子にのること。
うぬぼれて、思いあがる心です。
これ見よがしに自慢しているときに用いる表現です。
あまり良い意味では使われないので、他人に対して用いるのは控えておきましょう。
慢心は我慢や緩慢などの「慢」の字がつかわれています。
「慢」とは、人を小ばかにする・やるべき仕事をサボっているという、マイナスの意味もあります。
つまり「慢心」というのは、するべき仕事をしないで怠けている状態のこと。
やるべき仕事が待っているのに、自分は他の人よりも優れていると勘違いしてしまうことです。
自信過剰になっている時の、戒めとして使われます。
慢心の使い方としては「試合に負けたのは、すべて慢心の致すところです」や「謙虚な彼からは、慢心はまったく感じられない」や「先生から慢心を戒めるようにと、注意を受けた」などがあります。
いい気になっている時の、訓戒として用いられます。
「満身」とは?
満身(まんしん)とは、全身のこと。
頭のてっぺんからつま先までを表現した言葉です。
体中や体全体を伝えたいときに用います。
満身は「満」と「身」の2文字が組み合わさった熟語です。
「満」には全部・いっぱいという訳があります。
「身」はからだを表す言葉。
そのため「満身」でからだ全体のこと。
全身をめいっぱい表現するフレーズになります。
満身は単独で使うこともあるのですが、よく使われるのは「満身創痍(まんしんそうい)」という四字熟語です。
創痍はケガのことなので、満身創痍で全身が傷つけられた状態のこと。
心身ともにボロボロな様子をあらわします。
「満身創痍な日本経済」や「満身創痍で臨んだ」などと用います。
「慢心」と「満身」の違い
どちらも「まんしん」と読めますが、その中身は大きく違っています。
「慢心」と「満身」の違いを、分かりやすく解説します。
・悪いシーンの「慢心」どちらも含む「満身」
パソコンで打ったときに間違えやすい「慢心」と「満身」。
慢心はうぬぼれた気持ちのこと。
自分はすごいと勘違いすることです。
ビッグマウスのような口先だけの人を、揶揄して使う言葉になります。
対して「満身」はからだ全身。
いい意味でも悪い意味でも使われます。
悪い意味しかないのが「慢心」。
どちらのニュアンスも含まれるのが「満身」です。
まとめ
「慢心」と「満身」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも「まんしん」ですが、意味は全然ちがっています。
慢心とは自信過剰になって、思いあがってしまう心のこと。
満身はからだ全身をさす表現です。
満身には全身が痛めつけられるという意味の「満身創痍」という格言もあります。
慢心は批判するとき、悪い意味でつかいます。
満身にはどちらの意味もあります。
シーンに応じて使い分けしていきましょう。