この記事では、「戦く」と「慄く」の違いを分かりやすく説明していきます。
「戦く」とは?
「戦く」は、戦争のような物理的な戦いにおいて恐怖心を感じ震え上がることを意味します。
「戦く」は、必ず物理的な衝動で恐れを抱かなければならず、例えば心理的な恐怖だけを体験する幽霊に遭遇するようなことは「戦く」とは呼びません。
「慄く」とは?
「慄く」は、戦争のような物理的な恐怖で震えあがることと、心理的な恐怖で震えあがるという意味があります。
その為、幽霊を見てしまい、幽霊に対して恐怖した場合は、「慄く」と記載することが正しいです。
逆に、幽霊を見て「戦く」とした場合、幽霊は物理的な恐怖ではなく、心理に発生する恐怖なので間違いであるといえます。
「戦く」と「慄く」の違い
「戦く」と「慄く」の違いは、物理的な恐怖で震えあがることか、心理的な恐怖心で震えあがるかです。
「戦く」は戦闘行為である戦があり物理的な恐怖、「慄く」はぞっとすることを意味する「慄く」であるとすれば両者の違いは分かりやすくなります。
「戦く」の例文
・『戦地の惨状に戦く』
この例は、戦争をしているエリアの様子を見て恐れを抱いたという例です。
このケースの場合、物理的に今現在進行形で行われている戦争行為について恐れを持ったという例になりますが、「慄く」としても正解でこちらの場合、今行われている惨状を目にして心理的な恐怖が働いたという意味になります。
「慄く」の例文
・『殺したはずの相棒が甦り恐れ慄く』
この例は、確かに殺害したはずの友人がなぜか目の前に存在しており、心理的な恐怖が張り廻った例です。
なお、友人は、実は死んだふりをしている可能性もあり、実のところ生きているがあえて死者のようにふるまって相手の様子をうかがっている可能性もあります。
が、本当に死んでいて何らかが要因して一時的によみがえっていることも考えられるため、このケースは心理的な恐怖の方が勝る、「慄く」としました。
まとめ
「戦く」と「慄く」の違いは、恐怖をする対象が異なり、「戦く」は物理的に恐怖を感じることで今ある現状について恐怖を感じることですが、「慄く」は心理的な恐怖で目に見えないことや理解できないことを必要以上に恐れることです。
その為、戦闘行為においてはたいていが「戦く」と記載するのは物理的に見て目に見える恐怖がそこまで迫っているからであり、「慄く」の場合はそれよりも深い理解できないことが起きた場合、恐怖することにあり、こちらの場合、どちらかというと発狂している状態にも近いです。
人間は理解できないものを目にすると、現実から目を背けて回避することで恐怖から逃げることができますが、「慄く」はまさに現実から目を背けて目に見えない恐怖から逃げているにすぎません。
逆を返せば、人間だけが目に見えない恐怖から逃げ出すことができ、動物の場合、目に見えない恐怖が迫ると立ち止まるという性質があり、目に見えない恐怖に取り込まれてしまいます。