「指導」とは?
「指導」とは「能力がある人が未熟な人に対して、定められた目的や方向性に沿って遂行できる様に教えること」です。
一般社会では年齢により「先輩」「後輩」という立場に分かれます。
先輩は後輩に対して仕事やルールなどを教える役割があり、その組織や団体の方向性や社風に見合う様に仕向けていきます。
時には自らお手本を見せたり、レクチャーをしたりすることもあるでしょう。
自らの知識や経験を元に、未熟な人が気付かない様な規範を教えていくことを言います。
「指摘」とは?
「指摘」とは「短所や改善が必要とされることなどを取り上げて指し示すこと」です。
社会では、ミスや勘違いをそのままにしていると会社間の重大なトラブルに発展してしまう可能性があります。
それを未然に防ぐ為には、そのものごとに対して知識がある人がはっきりと伝える必要があるのです。
具体的にどこがどの様に間違えている、或いは好ましくないということを示す時に使われます。
書類や情報の間違いだけではなく、人の態度や言葉遣いなどに対しても使われることがあります。
「指導」と「指摘」の違い
「指導」と「指摘」の違いは、「目的や方向性あるかどうか」という点です。
「指導」は「定められた目的や方向性へ導くこと」です。
何か注意をすることがあっても、その先に目的が存在しているのです。
「指摘」は「誤りや改善が必要な点を明示すること」です。
現在目の前のものごとに対しての行為であり、何かを目的としたり同じ方向に導くという意味はありません。
「こうしたらこうなる」と問題点から改善のヒント、そうすることで何を得られるのかまで教えるのが「指導」で、「これは違っている」「こうするべきだ」と伝えてその後のことに関しては担当者の手腕に任せて自分は見守るのが「指摘」です。
また、「指導」は教育する能力のある人が時間をかけて一人或いは複数の未熟な人達を受け持つことが多くあります。
「指摘」は部署や立場に関係なく誰でもできる、一時的な行為です。
「導」と「摘」の違い
「指導」と「指摘」は「導」と「摘」の漢字からも意味の違いが分ります。
「導」の意味
「導」の意味は「道案内をすること」「相手の知識を高める為に手引きをすること」という意味があります。
相手の成長の為に自分が手引きをしてゴールを指し示すことを表しているのです。
「摘」の意味
「摘」の意味は「つまみ取る」「かいつまんで選び出す」「暴く」という意味があります。
特に相手の教育という意味はなく、気になる点を取り上げて相手に示すことを表しているのです。
「指導」と「指摘」使い分けの具体例
「指導」と「指摘」の使い分けの具体例を紹介します。
「取引先から製品の使いにくさを指摘された」
取引先がその会社の製品を使用してみて、使いにくいと感じた点を伝えています。
取引先からすればその会社の将来性などはあまり関係なく、単にその商品を購入してその価値に見合う働きしないことに対して不満を持っているのです。
「健康診断でコレステロール値の高さを指摘された」
会社の健康診断で、コレステロール値が基準よりも高いと言われました。
他は特に問題はなく、コレステロール値だけが問題となっていることを表しています。
「クレーム時の顧客対応について後輩を指導した」
経験が浅い社員は、クレーム時にはマニュアルがあってもしどろもどろになってしまうものです。
今後スムーズに対応できる様に、先輩として心構えやどの様にするべきだったのかなどを教えたことを意味します。
「指導」と「指摘」の英語の違い
「指導」と「指摘」の英語は以下の通りです。
“I was taught to estimate the orders by the boss”
「私は上司からオーダーの見積もりについて指導された」となります。
ビジネスの場合は“teach”を使った方が「具体的に教える」という意味が強まります。
“My boss pointed out a mistake on the chart. ”
「上司が図表のミスを指摘した」になります。
“point out”は「指し示す=指摘する」という意味があります。