ニュースでしばしば「支援者」、「協力者」という言葉を耳にします。
いずれも同じ目的を共有し、活動する人々をイメージしますが、正しくその違いを理解している人はあまりいないのではないでしょうか。
この記事では、「支援者」と「協力者」の違いを分かりやすく説明していきます。
「支援者」とは?
支援者とは、他人や機関に力をかして支え、助ける人のことをいいます。
慈善事業や公共事業など複数の人がかかわる規模が大きい活動から個人的な活動にいたるまで対象は幅広く、また一時的に力をかすのではなく、長期間にわたり、ともに理念や目標を共有して活動します。
財政的な援助を意味する場合もあります。
似た言葉に、篤志家、支持者、寄進者、後援者などがあります。
「支援者」の使い方
「支援者」が使用される代表的な例文をみてみましょう。
・社会的に注目をあびた事件の被害者が、「支援者」とともに裁判所へでむいた。
・貧困家庭の子供たちに大学進学の機会を与える活動している団体は、似た境遇で育った多くの「支援者」によって支えられている。
・この建物は、私たちの活動に共感した「支援者」の寄付によって建てられたものだ。
「協力者」とは?
ある目的のために力をあわせて活動する人をいいます。
似た言葉に味方、同胞、友軍、仲間、パートナー、相棒、共同作業者、つれ合い、共犯者、内通者、グル、などがあります。
目的は合資会社をたちあげるビジネスから、犯罪など悪事にいたるまで対象となり、幅広く利用される言葉です。
「協力者」の使い方
「協力者」が使用される代表的な例文をみてみましょう。
・私たちの学校は、環境保全の団体に「協力者」として名乗りをあげ、募金活動をはじめた。
・市長は、災害の被害者が早くもとの生活にもどれるよう、ボランティア活動に従事する「協力者」を募った。
・新規事業を立ち上げるにあたって、わが社はA社を「協力者」として迎えることになった。
「支援者」と「協力者」の違い
「支援者」は支える、助けるという意味が強く、「支援者」が、支援される側より優位にあるというニュアンスが存在します。
「支援者」は支援を受ける側より余力があり、支援される側は「支援者」のサポートがなければ、孤独な状況に立たされたり、十分な活動ができない状態に陥ったりする場合がある構図を、見逃さないようにしましょう。
一方「協力者」と協力を仰いだ側は対等な関係です。
両者は共通の目的にむかって力をあわせるパートナーであり、あくまで目的によって結びついています。
使い分けるときは、両者を結び付けているものが何なのか、また両者の関係を考えてみましょう。
目的があり、お互いにとって同じ利益がみこめる場合は「協力者」が適当です。
ボランティアなどどちらかが助けている場合は「支援者」を使う方が自然です。
まとめ
「支援者」と「協力者」はとても似た言葉です。
しかし「支援者」は支え、助けるというニュアンスが強く、「協力者」は目的にむかってともに力をあわせる対等なパートナーという、両者の関係に違いがあります。
この違いを知っていれば、「支援者」や「協力者」たちの人間関係や背景にも理解が深まるのではないでしょうか。