日本語には同じ読み方でありながら異なる意味となる同音異義語というものがあります。
「きょうじゅ」という読み方になる「教授」と「享受」もその1つと言っていいでしょう。
そこでこの記事では、「教授」と「享受」の違いを分かりやすく説明していきます。
「教授」とは?
一般的に「教授」と言えば、教員の「準教授」のように「大学など教育機関・研究機関で指導的な立場にある人のこと」をイメージしますが、この他に「学術・芸事を教え授けること」という意味で使われることもあります。
「享受」とは?
「享受」は「受け取って自分のものにすること」、あるいは「芸術の美しさや自然の恵みなどを味わいながら楽しむこと」という意味になります。
「教授」と「享受」の違い
では、ここで「教授」と「享受」の違いを考えていくことにします。
「教授」は「学術や芸事などを生徒や他人に教えて授けること」という意味を持っています。
「教授」が使われるシチュエーションとしては、会社の転勤・移動で新しい部署に移り、先輩への挨拶などで疲れることが多いです。
「仕事について、これからご教授頂くことができたわ幸いです」と早くその部署の一員になるために教わる時に挨拶の中で使われています。
また、専門的なスキル・ノウハウを持っている人に対して一定期間、継続して仕事を教えてくれる上司・先輩社員に対する言葉として使われるわけです。
これに対して「享受」は「利益などを受け取って自分のものにする」という意味合いが解釈することができます。
「享受」を構成する「享」は、元々「神さまにお供え物を勧める」という意味があり、それが現在では「おもてなしを受ける」「ありがたく受け取る」「(お供え物を)捧げる」と言ったような意味で使われているのです。
そのために「享受」は「自分のメリットとなることを進んで受け取、自分の楽しみや利益にする」という意味に転じてきたのです。
「教授」の例文
「教授」の例文は以下のようなものがあります。
・『ご専門に貴社にぜひともご教授いただきたく存じます』
・『今後ともご教授賜りますようお願い申し上げます』
両者とも相手を敬いながら、お願いしている点が特徴でしょう。
「享受」の例文
「享受」の例文は下記の通りです。
・『私はこのゆっくりと流れる時間を享受することができている』
・『田舎に戻り自然の豊かさを享受できているのだ』
自然の豊かさをたっぷりと堪能する時に「享受」が使われていますが、自分にメリットがあるものなら、これ以外でも最新商品の恩恵を受ける場面で使われることをあります。
まとめ
これまで「教授」と「享受」の意味や違いについて説明しきました。
何かしらのことを教えてもらえる時に使われるのですが、楽しみを味わう「享受」と学術・芸事を教え授けることという意味になる「教授」とはかなりの解釈の違いがあるので、きちんと理解しておく必要があるでしょう。
これらの言葉が当てはまる場面をしっかりと理解しておくことです。