この記事では、「斟酌」と「参酌」の違いを分かりやすく説明していきます。
「斟酌」とは、しんしゃくという読み方をする言葉です。
文字で表現されているこの言葉見れば直ぐに理解出来ますが、事情をくみとるとか水や酒等をくむといった意味を持つ斟の字に、先方の事情や意見をくみとるや酒をつぐといった意味がある酌の字を付け足す事で生まれた言葉となっています。
だからこそ「斟酌」は、他人の心情や事情をくみとる事やくみとって手加減するといった意味を持っているのです。
「斟酌」の使い方
「斟酌」は、相手の気持ちだけでなく立場や事情等の背景までくみとった上で程良い塩梅に調整するといった意味合いで使われる言葉となっています。
基本的に法律が絡んだ時に登場する事が多い言葉であり、交通事故等の際に斟酌事由という言葉と「参酌」の違いを分かりやすく説明していきます。
「斟酌」とは?
これは刑罰を決める際に加害者の精神面や経済面を考慮して刑罰を決める、といった意味合いを持っています。
「参酌」とは?
「参酌」とは、さんしゃくという読み方を行うべき言葉です。
漢字表記を目にすれば直ぐに分かりますが、まいる事や仲間に加わる事といった意味がある参の文字に、酒をくむとか相手の事情をくむといった意味がある酌の文字を加える事により成立した言葉となっています。
なので「参酌」とは、他のものを参考にして長所を取り入れるといった意味を持っているのです。
「参酌」の使い方
「参酌」は、他と照らし合わせる事により良い所を取り入れる、という意味合いで使われる言葉となっています。
なのでただ比較するだけでなく、良い部分や長所を見極めて参考にして取り入れるという所まで含んでいるのです。
具体的な使い方としては、参酌する、といった表現が比較的多く見られます。
「斟酌」と「参酌」の違い
「斟酌」と「参酌」は文字表記を見比べれば、最初に斟が付くか参が付くかの明確な違いがあるを理解出来るはずです。
加えて漢字だと同じ二文字で、二文字目に同じく酌の字が付いている事から、混同してしまう人も珍しくありません。
ただし「斟酌」は、他者の事情や心情等をくみとった上で手加減するといった意味合いを持っています。
一方の参酌は、別のものと照らし合わせた上で良い部分を取り入れる、という別の意味を有しているのです。
「斟酌」の例文
・『事故に遭い、きちんと勉強する時間が確保出来なかった生徒のテストの採点に斟酌を加えました』
・『彼はまだ未成年だったという事情も斟酌すべきです』
「参酌」の例文
・『第三者の意見を参酌した上で、適切な判断を下します』
まとめ
二つの言葉の漢字表記を見れば、最初に斟が付くか参が付くかという分かり易い違いを見付ける事が出来ます。
ですが二文字目が同じ酌の字であるため似た様な印象を受け、使い分けの際にどちらを用いるべきかで迷ってしまう人も決して少なくないです。
もっとも「斟酌」は、他人の心情や事情等をくんだ上で程良く手加減するといった意味を表します。
対する「参酌」の方は、他のものを参考にしたり照らし合わせる等した上で長所を取り入れる、という意味を表現すべき言葉です。