日頃から、何かを叙述するときに「断言する」か「明言する」のどちらを使用するのが良いか迷う時があります。
実際には、この2つの間には明確な違いがあるのですが、それを説明できる人は少ないかもしれません。
この記事では、「断言」と「明言」の違いを分かりやすく説明していきます。
「断言」とは?
「断言」とは、伝えようとしている事柄が真実であると確信を持って断定することです。
通常そのためには信頼に足る証拠やロジックが必要です。
それらが十分に示されている場合にはその事柄を聞いた第三者も事実を信じられるようになりますが、それが語られない場合も多く、その場合は本人がいくら「断言」しても第三者には信じてもらえないと言うケースもあります。
重要なのは、この言葉のポイントが「断言」した主体の自信を表現すると言うことで、聞いた第三者の感じ方には関係ないということです。
もし、その事柄が事実でなかった場合、その責任は「断言」した主体が負うべきです。
「明言」とは?
「明言」とは、伝えようとしている事柄の伝え方が断定的であるということです。
つまり、「?かもしれません」とか「?の可能性があります」とか「?のように思います」というような不確定な言い方でなく、「?です」とか「?に違いありません」とか「?と信じています」というような言い方になります。
この場合は、その言い方自体が重要なので証拠やロジックは語られない場合が多く、伝えられる方も話の内容の真偽よりも「明言した」事実の方を重要視します。
この言葉のポイントは「明言した」主体の自信ではなく、それを聞いた第三者の感じ方になります。
ただ、その事柄が事実でなかった場合はやはり、その責任は「明言」した主体が負うべきです。
「断言」と「明言」の違い
ここでは、「断言」と「明言」の違いを、分かりやすく解説します。
前述のように、簡単に言うとこの2つの違いは確定的なのが話の「内容」なのか、話す「行為」なのかの違いです。
例えば「『Bさんは優柔不断です』とAさんが断言した」と言った場合、確定的なのはBさんが優柔不断であるという話の「内容」ですが、「『Bさんは優柔不断です』とAさんが明言した」という場合はBさんが優柔不断かどうかの事実は関係なく、Aさんがそう言ったという「行為」が確定的であるということになります。
「断言」の例文
・『最近のコロナ新規感染者の原因はワクチン接種率の増加だと断定した』
・『気象予報士は明日の天気を断定しない』
「明言」の例文
・『菅総理は、総裁選挙に出馬しないことを明言した』
・『気象予報士が明言したのは台風が接近していることだけだった』
まとめ
今回は何かを明確に言う場合の「断言」と「明言」の違いに関して解説してきましたが、これらの違いをしっかりと理解して使用している人はそんなに多くはありません。
しかし、言葉を間違えると場合によっては対象となる人物を傷つけてしまうような取り返しのつかない事態に陥ってしまう場合もありますので、十分に気をつけて使用する必要があります。