人を説得するときなどによく使われる言い回しとして「是が非でも」があります。
ドラマや映画などでもよく耳にする言葉ですがいったいどのような意味で使われているのでしょうか。
今回は、「是が非でも」の意味と似たような意味を持つ言葉を紹介します。
「是が非でも」とは?意味
「是が非でも」とは、「事情にかかわらずどうあっても」という意味の言葉です。
「是が非でも」の概要
「是が非でも」の「是非」とは「正しいことと正しくないこと」という意味です。
本来の言葉の意味は「正しくても正しくなくてもどちらであろうとも」となり、そこから転じて「善悪や正当性を問わずどんな事情であっても」という意味で使われています。
一般的には相手に強く願ったり説得したりするときに使われる表現で「どうあっても引き受けて欲しい」という揺るぎない想いを表現する言葉です。
断られたら後がないような不退転の決意を示すほどの強力な表現なので軽々しく使われるものではなく、相手の事情や理由を問わずどんな手段を使おうとも話をまとめたいときに用いられます。
言葉そのものの意味としては善悪や正当性を問わずという意味になりますが、実際にそのような手段が使われるわけではありません。
覚悟や決意の強さを表現するための言い回しであり、手を汚してでも成立させたいというのは一種の比喩表現です。
本当に裏金や裏工作などフェアでない手段や方法を用いて話がまとめられることはほとんど無く、悪事も辞さないくらいの覚悟を持って話し合いに臨んでいることを表しています。
「是が非でも」の言葉の使い方や使われ方
・この作品の主役を引き受けられるのはあなた以外にいないので、是が非でも引き受けてもらいたい。
・取引に応じてもらえなければ倒産しかねないので、是が非でも契約に持ち込むつもりだ。
・実力をアピールする数少ないチャンスなので是が非でもやり遂げる。
・悲願の法案成立に向けて是が非でも採決に持ち込む。
「是が非でも」の類語や言いかえ
・なりふり構わず
「身なりや振る舞いがどうであろうと構うことがないほど必死になること」という意味の言葉です。
他のことは一切考えず強い決意を持って事にあたるという点が「是が非でも」と共通しています。
「是が非でも」が交渉や話し合いに臨む覚悟という精神面を表しているのに対し、こちらは具体的な行動に出ている場合に使われる表現です。
・しゃにむに
「余計なことは考えずそのことだけを考えて突き進むこと」という意味の言葉です。
「手段ややり方を考えずに目的の達成だけを考えて行動する」という脇目をふらない様子を指しており「是が非でも」に近しい意味合いです。
「是が非でも」がどんな手段でも使うとすべての選択肢を選ぶ覚悟を表現しているのに対し、こちらはたった一つの手段だけで力ずくで押し通るような愚直で強引な様子を表しています。
・強引な手を使ってでも 「普段や選ばないような穏当ではない手段を選ぶのにためらいがない」という意味の言葉です。
「是が非でも」の「非」を特に強調している表現で、普段ならためらうであろう手段に対してもためらいなくできる覚悟が固まっていることを表しています。
まとめ
「是が非でも」というのは話し合いや交渉でよく使われる定番のフレーズです。
相手がこの言葉を使ったら相当覚悟が決まっています。
相手がどれだけの決意を持っているかを知るためにも言葉の意味をしっかり覚えておきましょう。