この記事では、「末裔」と「子孫」の違いを分かりやすく説明していきます。
「末裔」とは?
「末裔」には、2つの読み方があり、一般的には「まつえい」ですが、「ばつえい」と読んでも正解です。
意味は、末の血統を指し、代々続く末の血族を指す言葉となります。
そのため、かなり古くから続く血族でなければ「末裔」ということができないと勘違いされている人や初代が歴史上の有名人でなければ「末裔」とはいうことができないと勘違いされている人も多いようですが、基本、そのようなことはありません。
有名人でなくても、さほど古くなくても、初代から見て最後の人が「末裔」となります。
このような意味から、その血族の「末裔」は、日々、変わっていくこととなります。
今日まで「末裔」だった人に子供が生まれれば、その子供が「末裔」となり、そのように次ぐ次、引き継がれていくのが「末裔」なのです。
「末裔」の使い方
「末裔」の場合、誰かの「末裔」といった使い方が多くなります。
例えば、「豊臣家の末裔」や「織田信長の末裔」などです。
「子孫」とは?
「子」と「孫」と書いて「子孫」。
一つの血統を受け継ぎ生まれてきたものを意味し、「子孫」の場合は、これから生まれてくるものも意味します。
「子孫」は、その血族の1人のみを指すものではなく、その血族すべての人を指す言葉です。
初代から今まで続く血族すべてが「子孫」であり、今後、生まれてくる人も「子孫」となるのです。
初代が古ければ古いほど、その「子孫」の数は多くなる傾向にありますが、?栄することができなかった血族の場合、最終的に1人しか「子孫」が残っていないということもあります。
「子孫」の使い方
「子孫」を用いた有名な言葉には「子孫繁栄」というものがあります。
これは、その血族が永遠に途絶えることなく続くことを意味しています。
そのほか、「天皇の子孫」や「直系の子孫」など、様々な使い方があります。
「末裔」と「子孫」の違い
血族からつながるものといった意味では同じ意味の「末裔」と「子孫」ですが、誰を指しているのかといった違いがあります。
「末裔」の場合、その血族の最後の人のみを指すもので、最後の人、つまり「末裔」が子供を産めば、その子供が「末裔」となり代々、変わっていくものとなります。
その一方、「子孫」の場合は、1人とは限らず、一般的に大多数です。
同じ血族の人すべてが「子孫」で、自分もその血族の「子孫」であれば、父親も「子孫」。
今後生まれてくる子供も「子孫」なのです。
「末裔」の例文
・『クラスに有名武将の末裔だという子がいました。』
・『私の苗字は織田ですが、決して、織田信長の末裔ではありません。』
・『何も先祖が有名人でなくても、その血族の末裔であることに間違いはありません。』
・『有名人の末裔は、末裔で、色々と苦労があるそうです。』
「子孫」の例文
・『私の家では、男性の子孫のみ受け継がれているものがあります。』
・『伝統芸能など、子孫が受け継ぐ文化が日本には今でも残っています。』
・『動物がなぜ、本能的に子孫を残すのか興味があります。』
・『子孫?栄を願う。』
まとめ
以上が、「末裔」と「子孫」の違いです。
誰を指すのかといった違いがあるため、理解したうえでの使い分けが求められます。