文章を書いていると、どちらの表現を使うべきか悩むこともあります。
この記事では、「根底に据える」と「根幹に据える」の違いを分かりやすく説明していきます。
国語力の基礎を固めていきましょう。
「根底に据える」とは?
根底に据えるとは残念ながら、日本語にはない表現です。
物事のよりどころを「根底にある」というので、そこから誤って生まれた可能性もあります。
もともと「根底」というのは、考え方の基礎・物事の土台となっている部分。
ベースとなっている箇所を指しています。
また「据える」には、腰を落ち着かせる・動かないようにじっとするという訳があります。
そのため大きなことを決断することを「腹を据える」。
きつく指摘することを「灸を据える」と言っています。
根底に据えるというのは、いかにもありそうな慣用句ですが、辞書を引いてもない言葉です。
知らずに使っていると、恥をかいてしまうので注意しておきましょう。
「根幹に据える」とは?
根幹に据えるとは、基礎を固めること。
計画の中心となっている部分を、重点的におこなうことです。
「根幹に据える」という言葉は「根幹」と「据える」がミックスした言い回しです。
「根幹」とは物事の中心部分のこと。
大木にあらわすなら、根っこと幹です。
根っこが折れ、幹が強風でなぎ倒されてしまったら、どんなに立派な大木もいずれは枯れてしまいます。
「据える」には「たおれないように植え付ける」という訳があるので「根幹に据える」で足元をがっちり固めるという意味になります。
使い方としては「新規プロジェクトを、成長戦略の根幹に据える」や「新しい人材を経営の根幹に据えた」や「子育てを生活の根幹に据える」などがあります。
足固めすることが「根幹に据える」です。
「根底に据える」と「根幹に据える」の違い
どちらも「底」と「幹」と使われる漢字が異なっています。
「根底に据える」と「根幹に据える」の違いを、分かりやすく解説します。
・日常で使われるのは「根幹に据える」
「根底に据える」と「根幹に据える」はとても類似した表現なので、間違えやすい表現です。
「根底に据える」は日本語としておかしく、広く使われていない言い方です。
代わりに使われているのが「根幹に据える」です。
「根幹に据える」は土台作りをおこなう、地固めをするといった意味として用いられています。
仕事や物事がスムーズに進むように、下準備をしておくことです。
「根底に据える」と誤りやすいので、しっかり理解を深めておきましょう。
まとめ
「根底に据える」と「根幹に据える」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「根底」も「根幹」も、物事の中心・重要箇所をさす言葉です。
政治やビジネスの場でよく使われているのは「根幹に据える」。
「根底に据える」は誤った表現なので、違いをおさえておくと良いでしょう。
「根幹に据える」で、物事の基礎を固める・重要対策をおこなうという訳があります。
流暢な言葉を覚えて、ライフスタイルに活かしていきましょう。