「無体を強いる」について
この「無体を強いる」は、あまりいい意味で使う言葉ではありません。
それは、無理矢理何かをやらせようとすることだからです。
「無体を強いる」の意味とは?
無体を強いる(むたいをしいる)は、「無理なことをやらせようとする」という意味です。
この「無体を強いる」は、2つの言葉から作られており、最初の「無体」は「無理(無茶、無謀)なこと」を表現しています。
そして、次の「強いる」は「それを(無理にでも)やらせる」という意味の言葉です。
これらの2つの言葉が組み合わさって、先の「無理矢理何かをやらせようとする」という意味となっています。
「無体を強いる」の言葉の使い方
無体を強いるは、そのようなことをさせようとする時に使います。
また、「無体を強いられた」として、無理矢理何かをやらされたという意味で使うこともできます。
後者のようなことはないに限りますが、「強いられた」という表現は、この「無体」以外にも、色々な言葉に付けて使われます。
例として、「苦戦を強いられた」などといった形がよく見られます。
「無体を強いる」を使った例文
無体を強いると使った例文です。
ここまでに挙げた「強いられた」などと変化させた形のものも挙げていきます。
「無体を強いる」の例文1
「あそこまでは無体を強いるのもどうかと思った」
誰か(もしくは会社や団体)にかなり無理なことをやらせようとしているのに対し、さすがにどうかと思っている様子です。
「無体」は、「無理なこと」という意味だと先に書きましたが、その「無理」と置き換えると、少々表現が柔らかくなります。
無体は無理なことの中でも、かなりのレベルだと考えてください。
「無体を強いる」の例文2
「あの一件では、かなりの無体を強いられたと聞いている」
かなりの無体とまで表現するからには、それほど無理なことを強いられたのだと考えていいでしょう。
「無体」には、「無理」の他に「無茶」や「無」という意味があると書きましたが、「無法」(違法)という意味で使うこともあります。
「かなりの無体」ともなると、もしやそのような行為だった可能性まであります。
「無体を強いる」の例文3
「部下に無体を強いるだけでは、上司として失格だ」
上司たるもの、部下に無理をさせるだけでなく、時には褒めることも必要です。
「飴と鞭」と言っては難ですが、無理ばかり押し付けたり、叱るだけでなく、うまくやる気を出させることも上司としての務めだと言えるでしょう。
「無体を強いる」の英語と解釈
無体を強いると英語で表現するなら、“forcepress”が一番合っています。
この言葉は「無理を押し付ける」という意味で、「無体を強いる」にかなり近い表現です。
元は“force”(力、権力)と“press”(押し付ける)という2つの言葉で、それが組み合わさってできている言葉です。
また、“coerce”(強要する)を使うこともできますが、先の“forcepres”の方が日本語の「無体を強いる」に近いと考えていいでしょう。
「無体を強いる」の類語や類義表現
「無体を強いる」と似た意味で使える表現です。
どれも「無体を強いる」と同程度の強さで、何かを無理矢理やらせると使うことができます。
「有無を言わさず」(うむをいわさず)
「相手に何も言わせることなく」という意味です。
この後に何かを押し付けると付け加えると、「無体を強いる」と同様の意味になります。
「否が応でも」(いやがおうでも)
この言葉も上の「有無を言わさず」と同じく、無理矢理やらせることがこの後に続きます。
どちらも「無体を強いる」の言い換えとして使われることの多い表現です。
「否応なしに」(いやおうなしに)
上の「否が応でも」と同じ意味で、好きな方を使って構いません。
多少形が違うだけで、後は好みの問題だと考えてください。