この記事では、「沈黙」と「静寂」の違いを分かりやすく説明していきます。
「沈黙」とは?
「沈黙」には、3つの意味があります。
1つめは、だまることです。
「黙る」には、無言になるという意味があります。
誰かと一緒にいて、ときどき無言になってしまうときがあると思います。
このような状態が「沈黙」です。
そもそも一人でいるときにぺらぺら話す人はあまりいないので、自分以外の人がいるときに黙ってしまうことをいいます。
2つめは、音を出さないことです。
都内だと難しいですが、人がほとんど住んでいない場所の深夜は、音がほとんどない状態です。
このような状態を「沈黙」といいます。
3つめは、活動せずにじっとしていることです。
ある作家は、これまで毎年のように作品を出していました。
しかし、ある期間、作品を全く出さなくなってしまいました。
活動をしていなかったのです。
こういった態度を「沈黙」といいます。
「沈黙」の使い方
「沈黙」には、3つの意味があり、意味によって使われる場面が違います。
黙る意味では、自分とそれ以外の人がいる場面で使われます。
音がほとんどない状態では、音がほとんどない場面であれば、自分以外の人がいる場所でも、いない場所でも使うことができます。
活動せずにじっとしている意味は、風邪で寝込んでじっとしているような状態ではなく、ある働きをしていない状態のことを指して使用します。
「静寂」とは?
「静寂」とは、物音がせずひっそりとしていることです。
物音がしない状態といっても、図書館のような静けさもあれば、深夜の住宅街のような静けさもあります。
「静寂」が意味する物音がせずひっそりしている状態とは、物音ひとつしない、威厳を感じられるような状態のことです。
「静寂」の使い方
物音ひとつせず、ひっそりしている状態を指して使用します。
黙り込んでしまってひっそりしている状態ではなく、静かで厳かな雰囲気があることを指しています。
「沈黙」と「静寂」の違い
どちらの言葉にも、静かという意味が含まれていますが、同じ状態を指しているのではありません。
「沈黙」は、会話が途切れて黙っているような状態を意味しています。
物音がしない状態の意味もありますが、この場合は単に物音がしないことで、厳かな雰囲気の意味は含まれていません。
また、活動をせずじっとしている意味もあります。
一方、「静寂」は、物音がせず、厳かな雰囲気のことです。
じっとしている意味は含まれていません。
「沈黙」の例文
・『沈黙を破る』
・『沈黙が続いて気まずい』
・『沈黙を貫いている』
・『沈黙に耐えられない』
「静寂」の例文
・『静寂が訪れた』
・『静寂を破る』
・『森の中は静寂に包まれていた』
・『都心にも静寂を感じられる場所がある』
まとめ
どちらの言葉にも静かという意味が含まれていますが、「沈黙」は黙ること、「静寂」は物音がしないことで、ニュアンスが違います。