「沿革」と「歴史」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「沿革」と「歴史」の違い違い

時の流れを意味する言葉として「沿革」「歴史」があります。

どちらも普通に使われている表現ですがこのふたつはどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、「沿革」「歴史」の違いについて解説します。

「沿革」とは?

「沿革」とは「物事が現在に至るまでの流れや移り変わり」と言う意味の言葉です。

「沿革」「現在の視点から過去を振り返りどのようないきさつで現在の状況になったのか」を指す言葉です。

主に会社や団体など組織や集団に対して使われることが多い言葉で、対象となる組織や集団がどのような成り立ちでスタートしたのか、どんな過程を経てきたのかなどを時系列で振り仮まとめたものが「沿革」と呼ばれます。

「沿革」は主体にまつわる出来事や紆余曲折を時間の流れに沿ってまとめたものです。

世間的な大きな流れなどとは無関係に対象となる主体にとって関わりのある事実や変節のみで構成されるため同じ時間軸を扱っていても対象が変われば内容は全く異なります。


「沿革」の使い方

・ホームページに企業の沿革を掲載する。

・自治体の沿革を調べる。

・銀行の遠隔を調べると合併の過程がよく分かる。

・卒業アルバムを見て初めて高校の沿革を知った。


「歴史」とは?

「歴史」とは「過去から現在へと向かう時間の流れの中で人間や自然が営んできた活動の変遷」と言う意味の言葉です。

「大きな時間の流れの中でどのようなことが起こってきたのか」「歴史」の指すものです。

時間の流れそのものだけではなくその間に起きた事件や事柄、変転や移り変わりなどをまとめたものが「歴史」です。

「歴史」は主に人間や人間社会に関わるものに対して使われる表現ですが自然や自然科学に対しても使われます。

どのような対象であっても時の流れと無関係で入られません。

すべてのものに平等に訪れる変化が時間的変化であり、「歴史」とはそのような時間的変化の中で何が起こったのかと言う事実、そしてそのような事実をまとめた記録と言う意味合いで使われます。

「歴史」は後世から過去を振り返った形で記録されるものなので必ずしも事実のみでまとめられるとは限りません。

誤解や誤認により不正確な内容が「歴史」として記録されることは珍しくありませんし、権力者などが意図的に事実を歴史を改ざんすることもあります。

「歴史」の正確性については異なる記録や複数の資料同士を照らしあわせて調査する必要があります。

「歴史」の使い方

・町の歴史を調べる。

・歴史を感じる建物だ。

・300年の歴史を誇る伝統芸能が存続の危機に立っている。

・歴史上初めての出来事に立ち会う。

「沿革」と「歴史」の違い

「沿革」「歴史」の違いは主観的視点の有無です。

「沿革」は特定の対象から見た主観的視点で過去の関連する事実をまとめたものを指します。

主観的視点にとって重要な内容のみがまとめられているので完成したものは極めてパーソナルな内容になります。

「歴史」には基本的に主観的視点はなく時の流れにそって事実が客観的にまとめられます。

時間内に起きた出来事は全て「歴史」に含まれます。

大きな流れとしての「歴史」の中から関連する出来事や自称だけを取り出してまとめたものが「沿革」です。

まとめ

「沿革」「歴史」は同じような意味で使われることが多く混同しやすい言葉ですが、本来の意味はそれぞれ別者です。

目にする機会の多い言葉なので意味合いをきちんと知っておきましょう。

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