ネットの信頼性関連の話題でよく耳にする「流言蜚語」とはどんな意味の言葉なのでしょうか。
今回は、「流言蜚語」の意味と類似表現について解説します。
「流言蜚語」とは?意味
「流言蜚語」とは、「ろくな根拠もなしに世間に広まっているいい加減なうわさ話」を意味する言葉です。
「流言蜚語」の概要
「流言蜚語」の「流言」とは「世間の間に流れている話」つまり「うわさ話」を意味します。
一般的には出どころや葉性が不明瞭であいまいな内容の話という意味で使われることが多く「信頼性に欠けるいい加減な内容の話」を指しています。
「流言蜚語」の「蜚語」には「話が飛び交う」という意味があります。
「蜚」はもともと「ゴキブリ」を指す言葉で「羽が生えていて空を飛ぶ虫」という意味を表しています。
「流言蜚語」を言葉そのままの意味で表すなら「虫が空をブンブンと空を飛ぶように世間を飛び交っているいい加減なうわさ話」となります。
比喩的な表現をもう少しわかりやすくした「世間で広まっている根拠の不確かなうわさ話」というのが「流言蜚語」の意味合いとなります。
「流言蜚語」は「流言」と「蜚語」のそれぞれでも同じような意味合いになります。
似たような意味合いの言葉を二つ重ねることで意味合いをより強めた四字熟語であり、単なる興味本位のうわさ話を超えた悪意や無責任さがあることを強調しています。
かなり強い意味合いの言葉であり軽々しく使われるものではありません。
同じうわさ話であっても良い内容の場合には使われることがなく、基本的には信じる人が出ると何らかの被害が出かねないような悪意ある内容のときに用いられる表現です。
「流言蜚語」の言葉の使い方や使われ方
・『我が社が倒産するのではという流言飛語が飛び交っているが、絶対に信用しないでください』
・『無責任な流言飛語に踊らされた人が出てしまったせいで、ワクチン接種に大幅な遅れが生じてしまった』
・『ネットに流言飛語があふれているのは事実だが、信頼できる情報を入手できるのもネットがあればこそだ』
・『軽い気持ちであっても流言飛語を広めるのに加担してしまえば罪に問われる可能性がある』
「流言蜚語」の類語や言いかえ
・デマ
「人を煽るようなつくり話」を意味する言葉です。
「デマゴギー」の略で本来は「政治的な意図により流される扇動的なつくり話」を指す言葉ですが、現在では「一件事実のように見えるが事実ではないつくり話」を指す言葉として使われています。
・フェイクニュース
「虚偽の内容を知らせる報道」を意味する言葉です。
本来は「新聞やテレビなどすでに信頼を獲得している報道機関が虚偽の内容を伝えること」を意味する言葉でしたがネットメディアの広まりとともに意味が転じていき、現在では「あたかも信頼できる報道であるかのように装って発信される虚偽の内容」のことを指します。
・風説
「世間に言いふらされ広まっている話」という意味の言葉です。
内容が事実であるかどうかにかかわらず使われる表現ですが一般的には「事実に反している無責任なうわさ話」という意味で用いられる表現です。
いい加減な話を世間に広める行為を「風説の流布」と言います。
まとめ
「流言蜚語」という言葉は日常で使われることはほとんどありませんが、ビジネス文書や法律文書など格式張った場面ではよく使われています。
意味さえ知っておけば難しい言葉ではないのでしっかり覚えておきましょう。