同じ漢字を使っていても、送り仮名が変わるだけで、全くちがう訳になることもあります。
この記事では、「混ざる」と「混じる」の違いを分かりやすく説明していきます。
正しい言い方をおさえて、日本語のスキルを上げていきましょう。
「混ざる」とは?
混ざるとは、異なるものが合わさって一緒になること。
時間の経過とともに、ナチュラルに溶け込んでいく様子をあらわしています。
混ざるは漢字の「混」がはいった言葉です。
「混」を2つ重ねた言葉に「混混(こんこん)」があります。
混混とは、山の泉が次々にあふれること。
古い水と新しい水が、同じ場所に貯まるという意味があります。
それまであった水も、新しく湧いた水も、見た感じは同じ透明なウォーター。
区別されることなく、静かにそこに佇んでいます。
「混ざる」という言葉も、混混をイメージさせるような言葉。
2つのものが自然の力に導かれて、1つになる様子をあらわしています。
「バイオリンとクラリネットのメロディが混ざる」「年長さんと年少さんが混ざる」このような使い方をします。
「混じる」とは?
混ざるとよく似ている「混じる」は、あるものに別の種類のものがくわわること。
共通点の少ないものが、入り込むことです。
混じるの「混」の漢字をつかった熟語に「混入」があります。
このニュアンスに近いのが「混じる」です。
ちなみに混入とは、侵入すること。
異素材の物が運悪く入ってしまうことです。
そのため「混じる」には、どこか嬉しくはない響きもふくまれています。
混ぜようと思わなかったのに、なぜか入ってしまった。
そんな心情の時につかいます。
具体的な使い方として「豊かな黒髪に白髪が混ざる」や「しらすのパックに、フグの小魚が混じる」そして「期待と不安が入り混じる」などがあります。
「混ざる」と「混じる」の違い
どちらも一文字しか違わないので、知らないと同じように使ってしまいます。
「混ざる」と「混じる」の違いを、分かりやすく解説します。
・なじまない時は「混じる」 どちら2つ以上の物が、まじり合うという表現です。
合わさるという共通点はあるのですが「混ざる」はより自然な言い回し。
すがすがしい雰囲気があります。
一方で「混じる」は組み合わさったものの、どこか腑に落ちない様子。
不本意であるとか、違和感があるとか、どちらかと言えば「好意的に受け止めていないニュアンス」も含まれています。
食品に異物が混入したときも「混じる」という言い方をします。
まとめ
「混ざる」と「混じる」の違いを、分かりやすくお伝えしました。
どちらも日常会話で、よく使用される言葉になります。
どちらも「入り込むこと」ですが「混ざる」の方が、より自然な風合い。
「混じる」は違和感のある、ちぐはぐな混入を指しています。
組み合わせて自然に見えるものは「混ざる」。
組み合わせたら、不自然に感じるものは「混じる」です。
両者の違いをおさえておきましょう。