この記事では、「渉る」と「渡る」の違いを分かりやすく説明していきます。
「渉る」とは?
「渉る」は「わたる」と読みます。
意味は、「川を歩いて向こう側まで行くこと」です。
川の向こう岸へ行く時に、橋や船などを利用するのではなく、直接川の中に入って歩いて行くことを言います。
「渉」は「流れる水」と「左右の足跡」の象形から成り立ち、「水の中を歩くこと」を表す会意文字です。
「渉る」の使い方
「渉る」は「川を歩いて向こう側まで行くこと」という意味で使われます。
動詞として「渉る・渉った」と使われたり、副詞として「渉って」と使われたりします。
基本的に、川の向こう岸へ行く時に水の中を歩くことに使われる言葉です。
「渡る」とは?
「渡る」は「わたる」と読み、主な意味は以下の通りです。
1つ目は「間を隔てるものを越えて、一方から他方へ行くこと」という意味で、川や谷、廊下など間にあるものを越えて行くことを言います。
2つ目は「あちこちを移動して歩くこと」という意味で、様々な場所を転々と移動することを言います。
3つ目は「ある時間が途切れずに続くこと」という意味で、ある状態が長く続くことを言います。
4つ目は「世の中を生き抜くこと」という意味で、「世渡り」などとも言います。
5つ目は「ある範囲のすみずみまで行き届くこと」という意味で、関係する人や場所全体に配られることを言います。
上記に共通するのは「向こう側へ届く」という意味です。
「渡る」の使い方
「渡る」は「間を隔てるものを越えて、一方から他方へ行くこと」「あちこちを移動して歩くこと」「ある時間が途切れずに続くこと」「世の中を生き抜くこと」「ある範囲のすみずみまで行き届くこと」という意味で使われます。
動詞として「渡る・渡った」と使われたり、副詞として「渡って」と使われたり、名詞として「渡り」と使われたりします。
基本的に、ある場所から向こう側まで人や物が達することに使われる言葉で、水の中を歩く時には「渉る」「渡る」どちらも使われます。
「渉る」と「渡る」の違い
「渉る」は「川の向こう岸へ行く時に水の中を歩くこと」という意味です。
「渡る」は「ある場所から向こう側まで人や物が達すること」という意味です。
「渉る」の例文
・『浅瀬をみつけたので向こう岸まで歩いて渉った』
・『歩いて渉れそうな川だが、途中で深くなっているかも知れない』
・『子供が川を歩いて渉ろうとして流され、大騒ぎになった』
・『この流れではとても歩いて渉るのは無理だから、遠回りして橋を探そう』
「渡る」の例文
・『観光スポットになっている橋を渡った』
・『廊下を渡って音楽室へ移動した』
・『彼女は夢を叶える為にアメリカに渡った』
・『3年にも渡る作業を経てやっと完成した作品』
まとめ
今回は「渉る」と「渡る」について紹介しました。
「渉る」は「水の中を歩くこと」、「渡る」は「向こう側まで達すること全般」と覚えておきましょう。