「準拠」と「遵守」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「準拠」と「遵守」の違い違い

使われる場面が似通っている言葉は混同しやすいものです。

そのように混同されやすい言葉として「準拠」「遵守」があります。

このふたつは「じゅん」という音が共通していることもあって取り違えやすい言葉ですがどのように使い分ければよいのでしょうか。

今回は、「準拠」「遵守」の違いについて解説します。

「準拠」とは?

「準拠」とは「標準となるものにならい従うこと」という意味の言葉です。

「準拠」「準」には「めあて、しるべ」という意味があります。

この場合は。

「準拠」「拠」には「よりどころにする」という意味があります。

漢字そのままの意味では「めあてとなるものをよりどころにする」となり「標準に基づく」という意味が成り立ちます。

「規格や基準など掲げられた従うべきものに対して従う」のが「準拠」の意味するところです。

「準拠」している製品とは、元となる規格や基準に従って製造され要件を満たしているものを指します。

「準拠」という言葉はもととなる規格や基準が公開されている場合に使われます。

大元の規格や基準が非公開だと本当に「準拠」しているのか確認できません。

JIS規格など公開されている基準サイズや重量などのデータに従うことを「準拠」と表現します。


「準拠」の使い方

・規格サイズに準拠して造られた部品を購入する。

・大量生産なので全て基準を準拠している。

・業界規格に準拠せず独自規格で開発を進める。

・今年に入ってから発売された製品はすべて統一規格に準拠している。


「遵守」とは?

「遵守」とは「法律やルールなど公の決まりごとを守ること」という意味の言葉です。

「遵守」「遵」には「法則に従う」という意味があります。

「法則に従い守る」のが「遵守」の本来の意味ですが、特に社会における法則にあたる法律やルールを守ることを「遵守」と表現します。

「遵守」には「ルールに粛々と従う」というニュアンスが含まれています。

嫌々ルールを守るのではなく「不平不満を漏らすことなくルールを守って行動する」のが「遵守」です。

罰則などで強制的に従わせるのではなく「尊重する気持ちを全面にだしてルールを守る」姿勢が「遵守」の指すものです。

「遵守」の使い方

・労働基準法を遵守する会社が増えている。

・交通ルールの遵守をドライバーに求める。

・警察学校で法律の遵守を徹底して教えこむ。

・安全対策のガイドラインを遵守する

「準拠」と「遵守」の違い

「準拠」は基準となる規格などに従うこと、「遵守」は法律やルールなどをきまり守ることです。

「準拠」は具体的に従うべき数値などを満たすことを指しますが、「遵守」は法律などを守り一定の範囲からでないことを指します。

目標とすべき標準があるのが「準拠」、一定の範囲を逸脱しなければいいのが「遵守」という違いがあります。

「準拠」は合理性によるものですが「遵守」は道徳や公共心によるものです。

まとめ

「準拠」「遵守」は全く別の意味を持ちます。

混同することのないようにそれぞれの意味をしっかり覚えておきましょう。

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