この記事では、「片思い」と「片想い」の違いを分かりやすく説明していきます。
「片思い」とは?
「片思い」とは、辞書によると、一方だけが相手を思い慕う事を意味するとあります。
こうした意味は、多くの人が知っている言葉で、改めて意味の説明をする必要がないほどでしょう。
『彼は○○さんに片思いをしているけれど、告白する勇気がないようです。』の様に使われます。
「片想い」とは?
「片想い」の意味を辞書で調べようとしても、記載していない辞書が一般的です。
辞書に載っていない言葉である「片想い」は間違いなのでしょうか。
結論から言うと、間違いではありません。
記載されていない理由は、「片想い」の「想」の漢字は「そう」としては、常用漢字となっていますが、それを「想い(おもい」と訓読みする事は常用漢字ではないからです。
もちろん、「思い(おもい)」は常用漢字です。
従って、辞書には「片想い」の記載がないのですが、「思い」と「想い」には次項で説明しますが、元々ニュアンスの違いがあるのですが、「片想い」でも間違いではないのです。
ただし、公式な文章では、常用漢字を用いる事が必要なため、新聞やテレビや小説等の芸術性の高い場合を除く一般的な書籍等では「片想い」を使ってはいけないと言えます。
「片思い」と「片想い」の違い
「片思い」と「片想い」は、いずれの言葉も、一方だけが相手を思い慕う事を意味する言葉です。
しかし、「片想い」は「想い」の表記が常用漢字ではないため、公式な文章では「片想い」を使わずに「片思い」使う必要があります。
それでは、そもそも「思い」と「想い」は常用漢字が定められ、「思い」に統一される以前には、どのように使い分けられていたかを、紹介したいと思います。
まず「思う」は自分の頭で感じることを表現する場合に使用され、それに対して「想う」は、相手が存在しており、しかも相手の姿をイメージする場合に使われていたのです。
言い換えれば、思入れや感情が入らない場合には「思う」が使われ、強く感情が入る様な場合には「想う」を使うと言う使い分けがされていたのです。
この使い分けに従えば、相手をイメージでき、しかも恋心と言う強い感情が入っているのですから、「かたおもい」は「片想い」と書くべきと言え、間違いどころか、「片想い」の方が正しい使い方であったと言えるのです。
従って、公式な文章表記では「片思い」と書くべきですが、公式な文章以外で、敢えてニュアンスを大切にしたなら「片想い」と使い分けても良いでしょう。
もちろん、公式文章以外で「片思い」の表記を使っても何の問題もありません。
まとめ
「片思い」も「片想い」も、同じ意味で、一方だけが相手を思い慕う事を意味する言葉です。
「片想い」の「想い」は常用漢字にないので、公式文章では「片思い」を使う必要があります。
しかし、常用漢字が制定される以前は、思い入れや感情が入らない場合には「思う」が使われ、強く感情が入る様な場合には「想う」を使うと言う使い分けがされていました。
従ってかつては、「片想い」の方が正しい使い方だったと言えます。
従って結論的には公式文章では「片思い」を使わなければ間違いと言えますが、公式外では「片思い」 でも「片想い」でもOKですが、ニュアンスに拘るなら「片想い」を使うと良いと言えます。