地方公共団体の区分として「特例市」と「中核市」があります。
行政情報などを調べる機会でもないとあまり耳にしない言葉ですがいったいどのような自治体を指しているのでしょうか。
今回は、「特例市」と「中核市」の違いについて解説します。
「特例市」とは?
「特例市」とはかつて存在した地方自治体に対して適用される大都市制度のひとつで「法定人口が20万人以上で地方自治法が定める政令に基づいて特別指定を受けた市」を指します。
「特例市」多くの人口を抱える市町村に対し行政の効率化などを目的に一定の権限を認める大都市制度に基づく行政区分の一種です。
大都市制度で有名なものとして「政令指定都市」があります。
政令指定都市の基準が人口50万人以上であるのに対し「特例市」は人口20万人を基準としており政令指定都市の下位にあたる扱いです。
「特例市」には事務処理における権限が大幅に移譲され、地方自治体には個別の行政業務における大幅な裁量権が与えられるというメリットがあります。
地方交付税も増額されるので財政面でも有利です。
平成12年4月に施行された「特例市」制度ですが平成26年の基準見直しに伴い特例市制度は廃止されました。
廃止時点で特例市だった市のうち新制度に移行しなかった市は施行時特例市と呼ばれ新制度平行するまでの経過措置を受けています。
「特例市」の使い方
・特例市になってから20年が経過する。
・行政サービスが充実しているのを見るとさすが特例市という他ない。
・一般市民にとって特例市であることの恩恵を実感する機械は少ない。
・彼は特例市への移行時に尽力した元市会議員です。
「中核市」とは?
「中核市」とは「人口が20万人以上の地方公共団体のうち地方自治法が定める政令に基づく指定を受けた市」を指します。
市町村の規模により特別な指定を行う大都市制度における区分のひとつである「中核市」は平成8年に始まりました。
当初は人口が30万人以上であるほか面積が100 km2以上、昼間人口が夜間人口を上回ることという基準がありましたが制度改正後は「法定人口20万人以上」という基準のみに改められています。
「中核市」の使い方
・人口が増え中核市の基準を満たした。
・中核市に引っ越す。
・まちづくりにおいて権限が移譲された中核市は有利である。
・中核市の指定を受ける
「特例市」と「中核市」の違い
「特例市」と「中核市」の違いは旧制度では人口基準です。
「特例市」と「中核市」は旧制度ではそれぞれ人口20万人以上と30万人以上という人口で区分されていました。
新制度では「特例市」が廃止され人口20万人以上という新基準に改正された「中核市」に一本化されています。
それまで「特例市」だった自治体は新制度における「中核市」に移行を促され、まだ移行が行われていない施行時特例市を除き旧制度での「特例市」は「中核市」に変わっています。
まとめ
行政上の市区分を普段意識することはありませんが行政サービスを考える上ではとても重要なポイントです。
自治体のホームページには更に詳しい基準やメリットなどが記載されているので興味のある方はぜひ調べてみてください。