「独白」と「傍白」の違いとは?分かりやすく解釈

「独白」と「傍白」の違いとは?分かりやすく解釈違い

「独白」「傍白」はどちらも「ひとりでセリフを言うこと」を示す演劇用語ですが、詳細な意味や使用する場面が異なります。

双方の違いや用法を知って、日本語に関する知識を深めましょう。

この記事では、「独白」「傍白」の違いを分かりやすく説明していきます。

「独白」とは?

「独白」「舞台上で登場人物がひとりきりでセリフを言うこと」もしくは「ひとりきりで言うセリフそのもの」を意味し、「モノローグ」とも呼ばれています。

また、上記の意味が転じて「独り言を言う」という意味でも使用されます。


「傍白」とは?

「傍白」「複数の登場人物がいる舞台上で、その中のひとりが他の登場人物に聞こえないという設定で言うセリフ」を指します。

セリフを言う登場人物が「観客にだけ心境を知らせる」という目的があり、「わきぜりふ」とも呼ばれています。


「独白」と「傍白」の違い

「独白」「傍白」は双方共に「ひとりでセリフを言うこと」を指す言葉ですが、細かな意味や使用する場面に違いがあります。

「独白」「他の登場人物がいない場面においてひとりきりでセリフを言うこと」を指すのに対し、「傍白」「二人以上の登場人物がいる場面において、相手には聞こえず観客にだけ知らせるという設定で言うセリフ」を指します。

次に、「独白」「傍白」の違いを分かりやすく解説します。

「独白」の例文

「独白」「ひとりきりでセリフを言うこと」を指すほかに、「ひとり芝居」のことを「独白劇」と表現したり、有名人がインタビュー取材を受けて心境を語ったりする際などに使われるケースもあります。

なお、「独白」は通常の生活における「独り言」を指す場合もありますが、「誰もいない空間でつい言葉が漏れる」という意味ではなく、「周りに人がいる空間で自分本位に語る」といった意味合いで用いられています。

・『独白が有名な舞台は、シェイクスピアの「ハムレット」やモーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」などです』
・『彼は3時間にも及ぶ独白劇を見事に演じきった』
・『あの俳優が空白の三日間を赤裸々に語った独白記事が出るらしい』
・『上司は酔っぱらうと過去の成功体験を独白する癖がある』

「傍白」の例文

「傍白」「何人かの登場人物がいる舞台上で、そのうちのひとりが観客にだけ知らせるという設定で言うセリフ」を指します。

古典的な演劇で多く利用されてきた手法ですが、リアリティに欠けるとして近代以降の演劇ではあまり取り入れられなくなりました。

日常生活でも使用される「独白」と違って、「傍白」は演劇以外の場面で耳にする機会は少ないようです。

・『傍白は、他の登場人物には知られたくない感情や情報を観客と共有するという狙いがある』
・『シェイクスピアといえば独白が有名だが、「ハムレット」「十二夜」といった作品の傍白場面もチェックしておきたい』
・『傍白の場面では、観客に傍白と分かるように相手の役者から顔をそむけたり、後ろを向いてしゃべったりすることがある』

まとめ

「独白」「傍白」は混同されやすい言葉ですが、「舞台上に何人いるか」が使い分けのポイントになります。

両者の正しい意味を学ぶことで、脚本を読んだり舞台を見に行ったりする際により楽しめることでしょう。

言葉の雑学としてもぜひ参考にしてください。

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