この記事では、「目処」と「目安」の違いを分かりやすく説明していきます。
「目処」とは?
目指すところ、物事のなりゆきや予測という意味です。
「復帰の目処が立つ」のような使い方をします。
あるスポーツ選手がケガをしました。
ケガが治るまでに数か月はかかりそうです。
しばらく治療に専念をした結果、来月には復帰できそうだということがわかりました。
いつ復帰できるかという予測がある程度できています。
これを「復帰の目処が立つ」と表現します。
実現に近づいたところという意味合いもあります。
「プロジェクトは8月を目処に開始する」のような使い方もできます。
プロジェクトを開始するためには、そのための準備が必要です。
時間が許すのなら、準備にいくらでも時間を使うことができます。
しかし、これではなかなかプロジェクトを始められません。
そこで、いつから始めるのか目指すところを決めました。
それが8月だったとすると「8月を目処に」と表現します。
「目処」の使い方
目指すところ、将来の予測という意味で使用をします。
完成や実現に近づいたところを指してもいいます。
「目安」とは?
「目安」には4つの意味があります。
1つめは、だいたいの基準、だいたいの見込みです。
今度のテストでは70点をとれば合格だとされていたとします。
70点がだいたいの基準です。
これを「70点を目安とする」と表現します。
サプリメントは医薬品ではないので、詳しく飲み方を記載することができません。
しかし、1日にこれくらい飲むとよいという、だいたいの基準があります。
それを「目安量」といいます。
「1日2粒を目安に」などとパッケージには記載されています。
2つめの意味は、そろばんの掛け算や割り算で、そろばんの上の方におく除数や乗数です。
3つめは、そろばんの梁にある点のことです。
定位点ともいいます。
4つめは、箇条書きにした文書のことです。
「目安」の使い方
いくつかの意味がありますが、だいたいの基準、だいたいの見込みという意味で使用をします。
「目処」と「目安」の違い
2つの言葉は、目指すところという意味が同じです。
「目処がつく」「目安がつく」のように、同じような使い方をすることができます。
しかし、使い方にやや違いがあり「目安量」とはいいますが「目処量」とはいいません。
また、「目安」にはそろばんの印や除数や乗数などの意味もあります。
「目処」の例文
・『100店舗の展開を目処にする』
・『目処が立つ』
・『1万人を目処に入場を許可します』
・『実用化の目処が立つ』
「目安」の例文
・『1日大さじ2杯を目安に摂取してください』
・『100回の使用が目安です』
・『買い替え期間は5年が目安です』
・『快適に過ごせる温度の目安』
まとめ
目指すところという意味が同じで、同じような使われ方をしています。
「目安」にはそろばんの印などの意味もありますが、この意味は「目処」にはありません。