日本語の中には、漢字で表す事により別の言葉として意味を持つモノも存在しています。
そのため会話で口にする際は迷いなく使用出来る言葉でも、漢字として文字で表現する際には、どっちの字を使うのかで迷ってしまうケースもあるのです。
しかも社会人となると契約書等の正式な文章を書く機会も増え、誤った漢字を使わない様に注意しなければならない機会も少なくないので厄介だったりします。
「直截」と「直接」という言葉も、その様に使い分けがややこしい漢字の組み合わせのパターンと言えるのです。
「直截」とは?
直截とは、ちょくせつという読み方をする言葉となっています。
ただし中にはこの文字を見て、ちょくさいという読み方をしてしまう人も見掛ける事があるのです。
ですが截の文字は、切るという意味合いを持つ事から、せつという読み方をする漢字となっています。
なのでさいと読む事はなく、ちょくさいと読んでしまうのは誤りであり、注意が必要です。
そんな直截ですが、即座に裁断を下す事や、躊躇う事なくきっぱり言う事、といった意味合いを持っています。
というのも、じかにやすぐにという意味を持つ直と、切るや断つという意味を持つ截の組み合わせの言葉であるため、そういった意味として用いられるのです。
具体的には、君の直截な言い方はトラブルになる恐れがあるよ、とか、彼の直截な行動のお陰で後始末が大変だ、といった使い方が出来ます。
「直接」とは?
直接とは、ちょくせつという読み方をする言葉です。
じかという意味を持つ直と、くっつくという意味を持つ接という字の組み合わせとなっている事から、間に何も挟まずに接する、働きかける、という意味合いを持っています。
或いは寄り道等をしないで目的地に向かう、といった際にもこの直接という言葉が用いられるのです。
そのため人や物といった物理的なモノだけでなく、出来事等も間に挟まない場合にもこの言葉を用いる事が出来ます。
具体的には、業者を挟まずに直接取引したお陰で手数料が掛からなかった、とか、試合に遅れない様に寄り道せずに直接会場に行ってくれ、といった使い方が可能です。
「直截」と「直接」の違い
直截と直接がややこしいのは字面が似ているだけでなく、ちょくせつという読み方が同じな点だったりします。
ただし言葉が持つ意味合いは違っており、直截は直ぐに裁断を下す様や、率直な物言いをするといった意味を持つ言葉です。
一方の直接の方は、間に挟む事なく接する様や、寄り道をせずに目的地に向かう際に、使用される言葉となっています。
なので直截と直接は、読み方は同じものの意味は違うという、同音異義語の関係です。
まとめ
直截と直接は、どちらも同じちょくせつという読み方をする言葉となっています。
ただし言葉が持つ意味に違いはあるので、同音異義語です。
直截の方は、即座に裁断する様や、躊躇せずにはっきりとした物言いをするという意味を持つ言葉です。
直接の方は、人や物等を間に挟む事なく直に接していたり、回り道等をせずに目的の場所に直ぐに向かう際に用いる言葉となっています。