この記事では、「真摯」と「誠実」の違いを分かりやすく説明していきます。
「真摯」とは?
「真摯」とは、まじめで熱心なこと、及びその様を指す言葉です。
「真摯」の単語の「真」の漢字は、本当にや真にと言った意味を持ち、「摯」は真面目と言う意味を持つ言葉で、本当に真面目な様子を指す言葉と言えるのです。
例文としては、『問題に真摯に向き合い、再発防止策を講じます。』『彼の真摯な態度に好感が持てる。』と言った使い方がされます。
「誠実」とは?
「誠実」とは、私利私欲をまじえず、真心をもって人や物事に対すること、及びその様を指す言葉です。
使用例としては『彼は誠実な人柄はみんなに好かれています。』の様になります。
「真摯」と「誠実」の違い
「真摯」とは?の項や「誠実」とは?の項で記載した意味からは、2つの言葉は同義語と思えます。
実際、ほぼ全ての辞書は2つの言葉を、それぞれの類似語としていますし、はっきりと同義語だとしている辞書もあります。
確かに2つの言葉は、類似語ですが、ビジネスで使用する場合には、多くの識者が使い分けるべきとしています。
それは「真摯」は物事への態度や対応が真面目である場合に使用し、「誠実」の方は基本的に自分や他人の人柄や性質など人に対して使用する言葉だと、使い分けるべきと説いています。
その例として『今回の不手際を真摯に受け止めて改善に努める。
』とは言いますが、『今回の不手際を誠実に受け止めて改善に努める」とは言わないし、言うべきでないとしています。
また逆に『彼は誠実な人間だ』とは言いますが、『彼は真摯な人間だ』とは言いません。
これは彼の人柄や人間性を表現するのだから「真摯」ではなく、「誠実」を使うべきと言う事です。
この表現は、しっかりと使い分けているビジネスマンが多いと思います。
もちろん、『彼は真摯に仕事に取り組む人だ』と言う場合は、彼が物事である仕事に取り組む姿勢を示しているので、「真摯」を使うべきです。
しかし、こちらは『彼は誠実に仕事に取り組む人だ』と話す人も少なくないように思えます。
ビジネスの世界でも、「真摯」と「誠実」を、皆が正しく使い分けられている訳ではなく、少々誤って使っても、何とも感じない人も多いでしょう。
しかし、きっちり使い分けている人から見れば、常識がないと思われる懸念があります。
本来の日本語としては、同義語とする学者もいますが、ビジネスマンのマナーとしては、正しく使い分けるのが無難だと言えます。
まとめ
「真摯」とは、まじめで熱心なこと、及びその様を指す言葉で、「誠実」とは、私利私欲をまじえず、真心をもって人や物事に対すること、及びその様を指す言葉で、類似語です。
同義語とする辞書もあります。
しかしビジネスの世界では、「真摯」は対象が物事の場合に使用するもので、「誠実」の方は人が対象の場合に使う言葉だと、区別すべきと言うのが、一般的な識者の意見です。
ビジネスマンなら、しっかり使い分けるべきと言えます。