「矜持」と「自尊心」の違いとは?分かりやすく解釈

「矜持」と「自尊心」の違いとは?違い

誰にでも人に譲れない物事というのはあるでしょう。

それを譲って曲げてしまったら自分自身が揺らぐほど精神的に大切なものや、そう言った心を持っていても、それを表す言葉には少しニュアンスが違うことに注意が必要です。

この記事では、「矜持」「自尊心」の違いを分かりやすく説明していきます。

「矜持」とは?

「矜持」とは見た目や能力や技術など、自分の優れているところを誇り、堂々とした振る舞いをするための拠り所にしていることです。

例えばベテランの職人であれば、長年続けてきたその仕事の技術と経験を「矜持」にしていることが多いですし、何百人もの従業員を雇うほど大きな会社を経営していることを誇る社長もいるでしょう。

そう言った他人に誇れることや、誇る根拠となっているものが「矜持」と呼ばれます。

「矜持」は職人の「矜持」社長の「矜持」など、特に職業であったり、社会的な立場に関する拠り所に対して使われることが多いです。

また自慢に思っている程度ではなく、精神的に大きなウェイトを占める、人として重要な軸となっている要素を指すような、重い言葉として使われます。


「自尊心」とは?

「自尊心」とは自分の能力や人格などを認め、誇らしく思い、自分を高く評価すること、もしくはそうする心を指す言葉です。

「自尊心」は自分で自分をどう思っているかという認識を指す言葉であり、「自尊心」は本人の中で自己完結しています。

他人に評価された実績が「自尊心」の根拠や源となっていることもありますが、あくまで自分で自分をどう評価しているかが「自尊心」であり、基本的に「自尊心」と他人は関係がありません。

また「自尊心」は自己肯定感であり、小さいモノから大きいモノまで含みます。

そのため人としての軸だけでなく、他の人には褒められないものの自分では気に入っている特徴のような、些細なことも「自尊心」に違いありません。


「矜持」と「自尊心」の違い

「矜持」「自尊心」はどちらも自分への自信や誇りに繋がるものですが、「矜持」は人としての精神的な拠り所で、「自尊心」は自己肯定感です。

言葉の雰囲気として、「矜持」は悪い意味や表現として使われることはありません。

ですが「自尊心」が強いという場合、プライドが高く自己中心的という印象を与えてしまうように、「自尊心」は場合によっては悪い意味で取られてしまいます。

また「矜持」はその人をその人たらしめる重要な要素のように言葉としての重みがありますが、「自尊心」は重い言葉ではなく、些細なことも指す言葉です。

まとめ

「矜持」と呼べるほどの物を持っていない人も珍しくはありませんが、「自尊心」は多かれ少なかれ誰もが持っているものです。

ちょっとした誇りについて「矜持」というと大袈裟に思われますが、「自尊心」をアピールすると自己評価が高すぎる人と思われかねないので、どちらも日常的に使うには使い所が難しいでしょう。

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