この記事では、「私的流用」と「横領」の違いを分かりやすく説明していきます。
「私的流用」とは?
「私的流用」とは、本来目的が決まっているものを、自分の利益の為に、違うことに使うことを言います。
例えば、会社、学校などで「〇〇費」という名目で集めたものを、「〇〇」に使わず、自分の利益の為違うことに使ってしまうことが「私的流用」なのです。
「私的」とは公の事ではない、自分のこと、プライベートという意味になります。
つまり「私的流用」という言葉そのものにいい意味はなく悪いことだとわかります。
「横領」とは?
「横領」とは、違法に他人の物を横取りすることという意味になります。
お金だけではなく、物品も含みます。
会社のお金に手をつける、物品を持ち帰るなどはわかりやすい「横領」ですが、それ以外にも、保管を命じられている物、遺失物、漂流物などを自分の物として利用する、処分することも当たります。
例えば「落とし物だから持って帰ってもいい」「ずっと置いてあって邪魔だから捨てていい」というわけではないのです。
場合によっては「横領罪」という罪になります。
「私的流用」と「横領」の違い
「私的流用」と「横領」は、どちらもニュースなどで聞く機会がある言葉で、似たように思われがちですが、意味合いが違っていますので、混同しないようにしましょう。
「私的流用」とは自分の利益の為に、目的が決まっているものを、違う用途に使うことを言います。
特に、あることに決まっている予算で、他のものを購入するといったことに使います。
「私的流用」という言葉自体は一般用語で、法律用語ではありません。
その為「私的流用」が発覚し、罪となった際は「横領罪」「窃盗罪」など別の罪名がつくことになります。
一方「横領」とは不法に他人の物を横取りするという意味になります。
つまり、「横領」が発覚すればそのまま「横領罪」という罪が成立する行為なのです。
会社のお金を盗むと言えばわかりやすい「横領」ですが、それ以外にも、預かっている物、保管を命じられた物、遺失物、漂流物など、自分に権利がない場合、勝手に使ったり、捨てたりすることも場合によっては「横領罪」となることがあります。
簡単にまとめますと「私的流用」は、自分の利益の為、目的が決まっているものを違うことに使うこと、「横領」は不法に他人の物を横取りすること、となります。
「私的流用」の例文
・『教材費として集めた金を、飲み会費用に私的流用している講師がいると内部告発があった』
・『会社からの交通費を私的流用していることが発覚し、全額返済することでクビは免れたらしい』
・『出張したふりをして、出張費を私的流用していたらしい。会社は法的措置も考えているそうだ』
「横領」の例文
・『横領の前科がある人を雇うわけにはいかない、うちでも横領されたら困る』
・『従業員の横領を防ぐ為に、事務所に監視カメラを設置するべきだ』
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「私的流用」と「横領」の言葉の意味、違いを説明しました。
どちらも悪いことを意味する言葉ですが、意味合いが違っていますので、混同しないように気をつけてください。
言葉の意味を正しく理解して使い分けていきましょう。