「移転」と「移行」の違いとは?分かりやすく解釈

「移転」と「移行」の違い違い

この記事では、「移転」「移行」の違いを分かりやすく説明していきます。

「移転」とは?

移転とは、一般的には場所を移すことを意味する言葉です。

特に事業所の所在地を別所へ移すような場合に「移転」と表現します。

また法律関連では権利の移譲の意味で「移転」の単語がしばしば用いられます。

例えば所有権を他人へ渡する際の行政手続きの事を『移転登録』と使います。

さらに、建築の分野では、建築基準法の定義により、「移転」とは同一敷地内で建築物を移動することを指す用語として使用されます。

ここでは、建物を別の敷地に移す場合は、「移転」ではなく新築と呼ばれています。


「移行」とは?

「移行」とは、ある状態から他の状態へ移っていくことを指す言葉です。

『会社の組織を新体制に移行する。』や『急激な変化を緩和するため、移行措置期間を設ける事に決まりました。』の様に使用されます。

また他には、『データの移行』という言い方でも使われます。

携帯電話の機種変更時に、古い機種内に記録されたデーターを、新たな機種に移し替える行為を「移行」と表現するのです。

これはサーバーでも同様にデーターを移す作業を指して使用します。


「移転」と「移行」の違い

「移転」とは、法律的用語や建築用語を除いて、一般的に使用する意味としては、場所を移すことを指す言葉です。

それに対して、「移行」とは、ある状態から他の状態へ移っていくことを指す言葉です。

すなわち2つの言葉は類語ですが、「移転」は場所の移動に適用される言葉で、「移行」は場所の移動ではなく、状態の移動を指すと言う違いがある言葉なのです。

しかも、「移転」では、場所を移動している経過・ 過程をニュアンスとして含んでいませんが、「移行」には経過措置的な対応が取られる事も多く、そうした経過・過程を含んでいるニュアンスが感じられる言葉でもあります。

この記事では「移転」「移行」の違いを考えて来ましたが、2つの言葉に似た類語としては、移動 ・ 移籍 ・ 移管 ・移譲と言った単語もあります。

これらも、類語ではありますが、意味の違う言葉であり、正しく使い分けられるようにしたいものです。

まとめ

「移転」とは、一般的に使用する意味としては、場所を移すことを指す言葉です。

それに対して、「移行」とは、ある状態から他の状態へ移っていくことを指す言葉です。

この意味で使用される「移転」「移行」は類語ですが、「移転」は場所の移動に適用される言葉で、「移行」は場所の移動ではなく、状態の移動を指すと言う違いがある言葉です。

また「移転」には、法律用語として『移転登記』の様に、権利の移譲の意味で使われますし、建築関連では建築基準法の定義により、「移転」とは同一敷地内で建築物を移動することを指す用語として使用されます。

さらに「移行」は広い意味では場所の移動とも言えますが、携帯電話やサーバーのデーターを移動させる場合にも使用されます。

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