「精緻」とは?意味や使い方を解説

意味と使い方

「精緻」

精緻は、「せいち」と発音します。

あまり耳にしたり、見掛けることはありませんが、詳しく知っておくと、ここぞという時に使える言葉です。

「緻」の漢字は日常生活ではほとんど見ないので、一見では読み方に困るかも知れませんが、糸へんを考えずに読めば問題ありません。

普通に読めない漢字はこの例のように、一度どこかの部首を外して考えてみると読めることも多いです。

「精緻」の意味

精緻とは、「大変綿密にできている様子」を表す言葉です。

物理的細工などに対してだけでなく、その様子や光景に対して使うこともできます。

それだけ「細かく考えられて(作られて)いる」と表現したい時に、この精緻はピッタリの言葉です。

ただし、本当にそこまででないと使うべき言葉ではないという点と、頻繁に使うと言葉の意味が軽くなってしまうので、それらには注意しないといけません。

「精緻」の類語と解釈

精緻と同様に、細かく綿密な様子が表現できる言葉をいくつか紹介します。

どれも「綿密」より意味が強い言葉だと考えていいでしょう。

「精密」(せいみつ)

主に物理的な仕組みが絡むものに対して使う言葉です。

同様の言葉の中では一番ポピュラーとも言える為、よく見掛ける機会があるでしょう。

例えば、宅配便で「こわれもの」を表現する際に、「精密機器」と記載されることが多いのがその一例です。

「緻密」(ちみつ)

こちらは上の「精密」とは逆に、機械的ではないものに対してよく使う言葉です。

「精緻」と同じく「緻」の字が使われていますが、この「緻」の一字だけでも「(細部にまで)行き届いている」という意味をもっています。

「緻密な計算」などという使われ方をする言葉で、その手の使い方で一度は聞いたことがあるでしょう。

「精緻」の言葉の使い方

上の類語の2つは、使える対象が限定されているのに対し、精緻はそのどちらの対象にも使える言葉だと考えていいでしょう。

その為、使い勝手がいいという表現もできますが、それほど使う場面のある言葉でもないので、無理に使うのは避けた方がいいでしょう。

「精緻」を使った例文・解釈

精緻を使った例文です。

色々な対象に使っている例を挙げていきます。

これらの例文から、比較対象を選ばずに使える言葉だと分かるでしょう。

「精緻」の例文1

「これだけ精緻な腕時計を作るには、一体どれだけの時間が掛かるのだろう」

電池やソーラーパワーを動力源として使わない機械式と呼ばれる腕時計は、とても複雑な作りになっています。

中にはアラーム機能が付いているものまであり、そのような時計となると、一流の時計職人が何ヶ月も掛けて1本を作るということも珍しくありません。

「精緻」の例文2

「あの絵画は見れば見るほど精緻に描写されているのが分かる」

精緻はこの絵画ような対象にも使える言葉です。 まるで写真と見紛えるほどの絵画によく使われる表現で、最近では色鉛筆だけでそのような絵画を描く人が、SNSでちょっとした話題になりました。

「精緻」の例文3

「内容から、精緻な調査の上で作成された資料のようだ」

精緻という言葉は、調査や探索などの行為にも使えます。

とても細かくそれらを行ったことが分かる内容の資料だったという褒め言葉にしている例です。

そこまでではないと思った場合には、「綿密」という言葉の方がいいでしょう。

ただし、その「綿密」も近い言葉には変わりありません。

「精緻」の例文4

「クラシックのコンサートに行ってきたが、とても精緻な演奏に感銘を受けた」

演奏に対して使っている例ですが、このクラシックのような対象でないと、この言葉は合わないので注意してください。

どれだけうまいと思った場合でも、アイドル歌手やロックバンドの演奏にはまず使いません。

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