この記事では、「統括」と「統轄」の違いを分かりやすく説明していきます。
「統括」とは?
「統括」とは、ばらばらになっているものを一つにまとめることを意味する言葉です。
「統括」を構成する漢字の「統」は、一つにまとめる、おさめるとの意味を持ち、また「括」は、くくるや、一つにすることを意味します。
従って「統括」は、ばらばらになっているものを一つにまとめることを指すのです。
しかも、「統括」は、単に一つにまとめると言うだけでなく、上位の人が部下などの下位の立場の人をまとめると言うニュアンスの意味で使われるのが一般的な言葉なのです。
言い換えれば、支配的にまとめるニュアンスがある言葉なのです。
役職などでも『○○統括担当』や、大きな組織では部長を束ねる『統括部長』などと使用している会社もあります。
「統轄」とは?
「統轄」とは、多くの人や機関を一つにまとめて管轄することを意味する言葉です。
この「統轄」の読みは、「統括」と同じで「とうかつ」です。
この「統轄」を構成する漢字の「統」は、一つにまとめる、おさめるとの意味を持ち、「轄」はある範囲をおさえて支配する事を指すものです。
従って「統轄」は、多くの人や機関を一つにまとめて管轄することを意味する言葉となるのです。
『この部門は、地方の機関を統轄する役割です』のように使われます。
「統括」と「統轄」の違い
「統括」とは、上位の人が部下などの下位の立場の人をまとめると言うニュアンスを持つ言葉です。
それに対して、「統轄」とは、多くの人や機関を一つにまとめて管轄することを意味する言葉です。
「統括」と「統轄」は読みも同じですし、辞書によっては「統轄」は「統括」と記載しても良いとあり、同じ意味として、用字の簡易化の関係もあり、「統括」に統一される傾向があると言えます。
しかし、「統括」の方は、人をまとめ上げる事を指すのに対し、「統轄」は人や機関や組織をまとめる意味だとされており、ここに差がある様にも思えます。
また「統轄」の「轄」の漢字は、「管轄」や「所轄」や「直轄」の様に、人に対するよりも、期間や組織をまとめる意味で使われるケースが多いと言えます。
こうした事から、ビジネスの世界では、「統括」は人をまとめ上げる際に使用し、「統轄」は機関や組織をまとめ上げる場合にと、使い分けを主張する向きもあります。
しかし一般的には「統括」と「統轄」は同義語であり、用語として簡易な「統括」を使えば良いと言えます。
まとめ
「統括」とは、上位の人が部下などの下位の立場の人をまとめると言う意味を持つ言葉です。
それに対して、「統轄」とは、多くの人や機関を一つにまとめて管轄することを意味する言葉です。
2つの言葉の読みはいずれも、「とうかつ」で、また同義として扱っても良い言葉です。
用語を簡易な方に統一する意味から、「統轄」を廃して、「統括」に一本化すると言う流れが主流となっていると言えます。