病気をあらわす言い回しは、色々とあります。
この記事では、「罹患」と「感染」の違いを分かりやすく説明していきます。
感染症にまつわる言葉を学んでいきましょう。
「罹患」とは?
罹患(りかん)とは、病気になること。
何らかの病名がついた診断を、医師から受けることです。
そのため「罹患する」というと、病気にかかったという意味になります。
罹患の「罹」には病気にかかるという意味があります。
また「患」は「わずらう」という訳です。
いずれかの病気になって、治療を受けなくてはいけない状態になることが「罹患」です。
ちなみに罹患に関する言葉には「罹患率」という単語があります。
罹患率とはある一定の集団の中で、どのくらいその病気にかかっているのか知る手がかりのこと。
行政が対策を立てたり、原因を突き止めたりするときに用います。
罹患率は「がんと診断された人の割合」をあらわす場合もあります。
「感染」とは?
感染(かんせん)とは、何らかの病原体が体の中に入ること。
ウイルスなどの微生物が、体内に侵入して増えることです。
感染という言葉が聞かれるようになったのは、新型コロナウイルスが世界的な流行をみせてからです。
新型コロナは「コロナウイルス」という病原体が増殖することによって、熱や咳などの不快な症状が出る病気です。
感染はウイルスが体内に入ることですが、人によってはウイルスが感染しても「はっきりとした症状があらわれないこと」もあります。
このような感染を不顕性感染と呼んでいます。
新型コロナウイルスは発生してからまだ日が浅いウイルスのため、よく分かっていないことが沢山あります。
そのため世界の研究機関では感染するメカニズムや、感染を防ぐ手立てを急ピッチで進めています。
「罹患」と「感染」の違い
どちらも病気に関わる言葉です。
「罹患」と「感染」の違いを、分かりやすく解説します。
・罹患は病気になること、感染はウイルスの侵入
「罹患」と「感染」は、病院でよく使われる言葉です。
基本からおさらいすると「罹患」は病気になること。
「罹患率」が「がん」をあらわす数字なので、がんにかかることを「罹患」と呼ぶ場合もあります。
一方で「感染」とはウイルスなど、何らかの病原体が体内に侵入すること。
「体内にウイルスがいる状態」が感染です。
熱や咳などの症状が出ていなくても、検査でウイルスがいると判断されれば「感染している」とみなされます。
「罹患」は病気にかかることなので、新型コロナウイルスの場合は「何らかの症状が出た患者さん」を罹患者と呼びます。
ウイルスが体内に入ることが感染、病気にかかり何らかの症状が出ることが罹患です。
まとめ
「罹患」と「感染」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも感染症を学ぶときに欠かせない言葉となります。
罹患とは病気にかかり、治療を受けること。
そして感染はウイルスなどの病原体が、体内に侵入することです。
感染の場合は「発症したのか発症していないのか」は問われません。
用語の差を知って、コロナ禍と正しく向き合っていきましょう。