この記事では、「自粛」と「自制」の違いを分かりやすく説明していきます。
「自粛」とは?
自ら進んで行いや態度を慎むことを「自粛」と言います。
自ら進んで行う行為ですが、そこには、他者からの評価を気にして行う気持ちが隠れています。
とは言っても、決して、他者からの強制で行うものではなく、あくまでも、自分自身で決め行うことを意味しています。
「自粛」には、「自己規制」や「自主規制」、「遠慮」、「我慢」、「慎み」などといった類語があり、英語で「自粛」は、「Self-restraint」と言います。
「自粛」の使い方
「自粛」は、「自粛する」といった使い方をはじめ、「自粛を要請する」、「自粛を促す」といった使い方のほか、「自粛ムード」、「外出自粛」、「自粛期間」といった言葉もあります。
「自制」とは?
自分を制御することを「自制」と言います。
自分の感情や欲望を抑えることを意味し、自分の感情をおさえつけ、態度や言葉として表に出さないことを「自制」と言います。
「自制」には、「制御」や「セルフコントロール」、「自己管理」、「自律」などといった類語があり、英語で「自制」は「self-restraint」と「自粛」と同じものとなります。
「自制」の使い方
「自制」は、「自制する」といった使い方をはじめ、「自制できる・できない」、「自制をきかせる」などといった使い方があります。
また、「自制心」といった言葉もあります。
「自粛」と「自制」の違い
自分自身がとる行為を意味する「自粛」と「自制」ですが、その行為に違いがあります。
「自粛」は、自ら決め、自分の言動や態度を控える行為を意味し、「自制」は、自分の気持ちを制御し、言動や態度を表に出さない行為を意味するものとなります。
このように控えるのか、表に出さないのか、といった違いが両者にはあります。
また、「自粛」の場合、周りからの見た目、評価を気にして自ら行動を控えるといった意味もあり、その点にも大きな違いがあります。
「自粛」の例文
・『やっと、外出自粛の期間が過ぎ自由に行動することができるようになりました』
・『少年犯罪において、報道の自粛を要請する動きが出ています』
・『大好きだった芸能人が、スキャンダルが原因で自粛することになりました』
・『世の中の状況を考え、県からの自粛要請に従うことに決めました』
「自制」の例文
・『彼女に対する憎しみを自制し、平常心を心掛けました』
・『自制心を鍛え、もっと、節約に励みたいと思っています』
・『ダイエットを成功させるためには、食べ物に対する自制心が必要です』
・『大人になっても、欲望を自制できない自分が情けない』
まとめ
「自粛」と「自制」の違いは以上です。
自ら行う行為といった共通点はあるものの、それが、自分自身の言動や態度を控えることなのか、それとも、表に出さないことなのか、その違いが「自粛」と「自制」には明確にあります。
それを踏まえ、適切な使い方が必要な言葉です。