この記事では、「苦い」と「渋い」の違いを分かりやすく説明していきます。
「苦い」とは?
「苦い」には3つの意味があります。
1つめは、舌を刺激するような、口をゆがめたくなるような味のことです。
舌には味蕾という味を感じる部分があります。
ここに物質が触れると脳に信号が伝わり、味を感じます。
「苦い」と感じやすい部位は、舌の奥の方です。
しかし、ここでしか感じられないというわけではありません。
「苦い」と感じさせる物質には、カフェイン、カテキン、テオブロミン、クロロゲン酸などがあります。
これらの物質が含まれる食品には、コーヒー、緑茶、カカオなどがあります。
2つめの意味は不快であるのです。
自分にとって面白くない、心が楽しくなるようなものではない、といった意味になります。
3つめは、つらくて苦しいです。
今つらいというよりも、思い出したくないようなつらい事といった意味になります。
たとえば、過去にプロポーズをして失敗をし、恥ずかしい思いをしたとします。
失敗するのも、恥ずかしい思いをするのもつらいことでしょう。
この出来事を「苦い経験」と表現できます。
「苦い」の使い方
味を指して使用することが多いです。
不愉快だ、つらいという意味でも使用されます。
「渋い」とは?
「渋い」には5つの意味があります。
1つめは、舌がしびれるような感じです。
「渋い」は味蕾で感じているのではなく、渋味を感じさせる物質が、舌のタンパク質を変性させるからだといわれています。
「渋い」と感じさせる代表的な物質はタンニンです。
緑茶、紅茶、渋柿などに含まれています。
2つめの意味は、深い趣がある、味わい深いです。
派手ではなく落ち着いているようなものをいいます。
色でいうと、海老茶色や抹茶色などがそれにあたります。
3つめは、不愉快そうな様子です。
舌に「渋い」と感じると顔をゆがめたくなります。
不愉快なときにも、それと同じような顔のゆがめ方をしたくなります。
4つめは、金銭や品物を出すのが嫌そうであるのです。
5つめは動きが滑らかでないです。
ガタガタいわせないと開かない襖のような動きをいいます。
「渋い」の使い方
舌に感じるものを指して使用することが多いです。
また、深い趣を指しても使用されています。
「苦い」と「渋い」の違い
舌の感覚についてを指す点が似ていますが、同じものではありません。
「苦い」は味蕾で感じるもので、口をゆがめたくなるような嫌な感じを指しています。
「渋い」は味蕾で感じているものではありません。
渋柿を食べたときのような感覚を指しています。
「苦い」の例文
・『苦いコーヒー』
・『カカオ100%チョコレートは苦い』
・『苦いものは嫌い』
・『苦いけれどおいしい』
「渋い」の例文
・『渋い柿』
・『渋いものを好む』
・『趣味が渋い』
・『渋い色の着物』
まとめ
舌の感覚の意味が似ている2つの言葉ですが、同じ感覚なのではありません。