この記事では、「苦労」と「労苦」の違いに関して分かりやすく説明していきます。
「苦労」とは?
苦労とは、くろうという読み方をする言葉です。
くるしむやにがいといった意味を持つ苦の字と、心身を使ってその事を努めるだったり、骨を折って働くという意味を持つ労の字を、組み合わせる事で生まれた言葉となっています。
そのため、心身共に力を尽くしながらも苦しい思いをする、といった意味で用いる事が出来る言葉です。
他には他人に世話を掛けてしまったり、厄介になるという意味も持っています。
「苦労」の使い方
苦労という言葉は、日常的に使用される事が多い言葉となっています。
使い方としては、心身共に疲れたり、ストレスが溜まってしまう事を、苦労する、といった言葉で表現する事が多いです。
更に世話になった相手や、面倒を掛けた相手に対して、ご苦労さま、という形で声を掛ける事も日常生活で多く見られます。
「労苦」とは?
労苦とは、ろうくという読み方をする言葉です。
見て分かる様に骨を折って働くの意味を持つ労と、くろうを意味する苦の字を組み合わせる事で成立している言葉となっています。
なので、身も心も疲れて苦しい思いをする事や、苦労、といった意味を持つ言葉です。
他にも、心配したり、努力するといった意味を示す言葉となっています。
「労苦」の使い方
労苦という言葉は、日常的に見聞きする事は基本的にそれ程多くはありません。
使い方としては、労苦に報いる、労苦を厭わない、といった表現を見掛ける事が多くなっています。
「苦労」と「労苦」の違い
苦労と労苦の漢字を見比べてみれば直ぐに分かる様に、苦と労という漢字が、前にあるか後ろにあるかの違いです。
なので全く同じ文字で構成された言葉同士であるだけに、持つ意味合いも似通っています。
そのためどちらも心身が疲弊する様な骨を折る事を、意味する言葉として用いられているのです。
ですが意味合いの違いを見出すとすれば、苦労の方は心身が疲弊した過程も含めて使用出来るのに対し、労苦の方は疲弊した、という結果に着目したニュアンスが強かったりします。
「苦労」の例文
・『早くに両親を亡くした事で、彼の人生は苦労の連続だった』
・『チーム全員で苦労を共にした事で、より結束力を強める事が出来ました』
・『長年の苦労が報われ、彼女は遂にコンクールへの入賞を果たした』
「労苦」の例文
・『長年に渡る労苦に報いる形で、彼はようやく成功を掴む事が出来た』
・『彼女は労苦を厭わずに努力し続けた事で、入賞を果たした』
・『クラスの全員が労苦を共にした事で、強い連帯感が生まれました』
まとめ
苦労と労苦は、どちらも苦と労という漢字で構成されており、2つの文字を前に置くか後ろに置くかの違いしかありません。
なのでどちらも、何かをして心身共に疲れ切る、といった同じ意味を持っているのです。
ただし苦労の方が日常的に使用される事が多く、意味合いとしても広く含める事が可能であり、疲弊する過程も表現する事が出来ます。