「茫然」と「呆然」の違いとは?分かりやすく解釈

「茫然」と「呆然」の違い違い

この記事では、「茫然」「呆然」の違いを分かりやすく説明していきます。

「茫然」とは?

「茫然」【ぼうぜん】とは、漠然として様子かつかめないことです。

また、突然起きた出来事にあっけにとられ、気が抜けたようになる様子を表します。

「茫然」に使われている漢字の意味を見てみると「茫」はぼんやりしていることを表し、「然」はものの状態を示しています。

これらの漢字を組み合わせた「茫然」は、ぼんやり、漠然とした状況を表しています。

この「茫然」は二つの意味を持っています。

ひとつは漠然としていること、もうひとつは、予測していない出来事に出くわし、ショックのあまり言葉が出なくなる、気が抜けてぼんやりしてしまうような状況です。

「茫然自失」【ぼうぜんじしつ】という四字熟語もよく使われています。

これはあっけにとられ、自身を見失ってしまったようにぼーっと立ち尽くす様子を表しています。

類語は「呆然」【ぼうぜん】、「放心」【ほうしん】、「虚ろ」【うつろ】などです。

「呆然」「放心」はショックで気が抜けてぼーっとする様子が「茫然」と共通しています。

「虚ろ」「茫然」よりも「心がここになく、ぼんやりしている」というニュアンスが強くなっています。


「茫然」の例文

・『遠い未来のことを茫然と考えてみる』

・『家に帰ったら空き巣に入られた後で、茫然自失となった』


「呆然」とは?

「呆然」【ぼうぜん】は、突然起きた出来事にあっけにとられ、気が抜けたようになることです。

「呆然」は、あきれる、気が抜けたようになることを表す「呆」と状態を示す「然」から成り立っています。

漢字が表すように「呆然」は、気が抜けたような状態になっていることを表します。

「呆然」「茫然」と同様に、予測していない出来事に出くわし、驚きのあまり気が抜けたようになることを指します。

「呆」に呆れるという意味があるように、呆れすぎてあっけにとられる様子を表すときにも使われます。

類語は「茫然」【ぼうぜん】、「唖然」【あぜん】、「放心」【ほうしん】などです。

「茫然」「唖然」「呆然」と同様に「あきれて言葉が出ない」というニュアンスを持ちます。

「呆然」の例文

・『家が全焼し、焼け跡の前で呆然と立ち尽くす』

・『好きな女優が電撃結婚することを知り、呆然とする』

「茫然」と「呆然」の違い

「茫然」「呆然」の違いを、分かりやすく解説します。

「茫然」「呆然」は、どちらも「ぼうぜん」と読み、「突然の出来事にあっけにとられ、気が抜けたようにぼんやりする様子」という意味を持つところは同じです。

「茫然」はもう一つ意味があり、漠然としているさまを表すときにも使われます。

一方、「呆然」はそのような使い方はできません。

この点が両者のはっきりした違いとなります。

なお、「呆然」「呆れる」という漢字が使われており「呆れてあっけにとられる」というニュアンスも含んでいます。

まとめ

「茫然」「呆然」は読み方も意味も同じで、あっけにとられることを指す場合は、どちらを使っても間違いにはなりません。

「呆然」は漠然と、という意味を持たないところが「茫然」と異なっているので、この点を間違えないように注意する必要があります。

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