「虻蜂取らず」
虻蜂取らずというのは慣用句であり、あれもこれもと狙ってしまうがあまり結局どれも得ることができないという状態を指します。
欲張りすぎて失敗に終わることを指す場合もあります。
虻も取らず蜂も取らずという表現が簡略化されたものになります。
「虻蜂取らず」の意味
クモの巣を張った蜘蛛が、そこに虻がかかったということで虻を取りに行こうとしたところ、蜂もクモの巣にかかったため、虻を後回しに蜂を取りに行こうとしました。
しかしそうすると虻が逃げようとしてしまい、虻を取りに行こうとしたら今度は蜂が逃げようとしてしまったのです。
最終的にどちらも取れなくなってしまいました。
このことから、同時にいくつものものを狙ったとしても何も得ることができない、欲張りすぎると失敗する、という意味を指すようになったのです。
「虻蜂取らず」の言葉の使い方
虻蜂取らずという表現は戒めで使うことが多いです。
欲張りすぎてはいけない、何かに集中しなければいけない、などという時に使われる表現です。
ビジネスシーンなどではついあれもこれもと欲張ってしまいがちですが、欲張ってしまった結果ターゲットを見失っては意味がありません。
そのため、1つに絞った方が良いという意味で使われることがあります。
「虻蜂取らず」を使った例文・短文(解釈)
それならば、虻蜂取らずという表現はどのような文脈で使われるのでしょうか。
ここでは虻蜂取らずという表現の例文を紹介します。
「虻蜂取らず」の例文1
「あの会社とこの会社、どちらとも取引をしたいけれど、きちんと絞った方が良いよね、虻蜂取らずになったら大変だ」
ビジネスをしていると、取引をするということがありますよね。
どこと取引をしようか悩むことがあるのではないでしょうか。
しかし、だからといって両方の会社を視野に入れてしまうと、最終的に全て逃してしまうという結果を招くこともあるかもしれません。
1つに絞り、欲張らないということもビジネスにおいては大切です。
「虻蜂取らず」の例文2
「あまりにもいろいろなやり方を考えてしまうと、1つも実行できない可能性がある、虻蜂取らずになったら大変だから、とりあえず簡潔にまとめよう」
いろいろな案を考えるとき、これも欲張りすぎてしまったら最終的にどれも実行できなくなってしまう可能性があります。
時間も限られていますから、あれもこれもと考えるのではなく、1つに絞る、少数に絞る、ということも大切です。
案を出しすぎてまとまらなくなったら大変ですから、欲張らないことも必要です。
「虻蜂取らず」の例文3
「虻蜂取らずにならないように、きちんと目標を見定めよう」
ビジネスなどにおいていろいろな案件などを考えていると、どうしても目標を見失うことがあります。
今自分たちはどのような客層をターゲットとしているのか、どの機関にどのようなキャンペンを使って商品を売りたいのか、しっかりと考えなければいけません。
様々な客層をターゲットにしてしまうと、逆にすべてのお客さんたちを見失ってしまう可能性もあります。
「虻蜂取らず」の例文4
「アレとコレの両方を買おうと思ったら、時間がなくて虻蜂取らずになるかもしれない。今日はあれだけ買おう」
買い物に行く時など、全く違う方向にいかなければいけないということもあるのではないでしょうか。
例えばセールなどをやっていて両方に行きたい、でもお互い違う方向にあるからなかなかうまくいかないかもしれない、などと思ったのであれば、1つのセールをあきらめるということも大切です。
両方のセールを視野に入れてしまうとどちらにも間に合わないという結果を招いてしまう可能性があります。
欲張ってはいけないのです。