日常的に使用する機会の多い「行き来」と「往来」ですが、何となく雰囲気で使いわけしていないでしょうか。
実際には、使用できる場面が違うため、意味を知ることができれば正しい使い分けができるようになります。
この記事では、「行き来」と「往来」の違いを分かりやすく説明していきます。
「行き来」とは?
「行き来」には、大きく2つの意味があります。
一つ目は、「行くくことと来ること」「行ったり来たりすること」です。
使い方の例文は『家の前は車の行き来が激しく、子供が飛び出すので危ない』『この駅では2つのスーパーが競合していて、客の行き来がある」などです。
二つ目は、「親しく付き合うこと」です。
使い方の例文は『先祖代々、あの家とは行き来がある』『最近、家を行き来できる親友ができた』などです。
「行き来」だけでいうと、意味はこの2つしかないので、使いどころは限られいます。
「往来」とは?
「往来」には、様々な意味が込められており、全部で7つほどあります。
一つ目は、「行ったり来たりすること」です。
使い方の例文としては『親戚への挨拶に東京都大阪を往来する』となります。
二つ目は、「人や乗り物が行き来する場所」です。
使い方の例文としては『この交差点は車や人の往来が激しい』となります。
三つめは、「互いに行ったり来たりすること」です。
使い方の例文としては『友達とは家を往来する中だ』となります。
四つ目は、「考えなどが心中に現れたり消えたりするさま」です。
使い方の例文としては『出会いから別れまでの思いが往来している』となります。
五つ目は、「手紙などのやりとり」です。
使い方の例文としては『もう2年も手紙の往来を続けている』となります。
六つ目は、「書簡文の模範文例集」をさします。
七つ目は、「往来物」を略したものとして使用されます。
「往来」には、このようにたくさんの意味が存在します。
そのため「往来」という文字だけでは、どれを指しているのかわからず、前後の意味合いで判断するようになります。
「行き来」と「往来」の違い
「行き来」と「往来」の違いは、上記のように現す意味の種類の数が異なります。
「行き来」は2つなのに対して、「往来」には7つの意味があるのです。
そのため「行き来」を使う場面は限られている反面、使いやすいというのがあります。
「往来」は、前後の分などを踏まえて解釈する必要がでてきます。
「行ったり来たりすること」というのは、どちらの意味も含まれているので、これに関してはどちらを使用しても問題ありません。
しかし注意点としては、「往来」の二つ目場所をさすのであれば「行き来」は間違いで、「往来」を使用するのが正しい使い方です。
まとめ
同じ漢字しか使用されていないため、同じ意味に感じる「行き来」と「往来」ですが、このような違いがあるのです。
状況に合わせて、使い分けることができると、文章の魅力もアップするでしょう。