この記事では、「観察」と「観測」の違いを分かりやすく説明していきます。
「観察」とは?
ものごとの状態、変化などを注意深く見ることを意味する「観察」。
単に見るだけではなく、客観的に見ることが必要で、また、期間も短期間ではなく長期的に見続けることを求められるものとなります。
少しの変化も見逃さないような体制で、注意し、そして、詳しく見ることといった意味となります。
「観察」の使い方
注意深く客観的に見ることを意味する「観察」には、様々な言葉があります。
「観察日記」や「天文観察」、「日食観察」、「保護観察」、「経過観察」、「人間観察」、「観察記録」、「観察眼」、「観察者」、「観察力」など、何を「観察」しているのかといった意味を表す言葉が多くなります。
「観測」とは?
「観測」の対象物は主に自然現象です。
そんな、自然現象を精密に「観察」し、「観察」するだけではなく、測定まで行うことを「観測」と言います。
対象となるものを単に見続けるだけではなく、何らかの測定を行って初めて「観測」を行ったと言えるのです。
そのほか、自然現象以外にも、ものごとの変化や成り行きを予測するといった意味も「観測」にはあります。
「観測」の使い方
「観察」に測定が加わる行為を意味する「観測」には、様々な言葉があります。
「天体観測」や「気象観測」、「天文観測」、「南極観測船」、「生体観測」、「地震観測」、「希望的観測」、「観測システム」、「観測装置」など、何を「観測」しているのかといった意味を表す言葉が多くなります。
「観察」と「観測」の違い
「観察」に測定が加わったものが「観測」です。
どちらも、時間をかけ、何かを見続けるといったことは同じです。
そのうえで、その編かなどにおいて、記録をとるだけの場合は「観察」に過ぎず、子どものころ行っていたあさがおやひまわりの成長記録などは、「観察」にあたります。
そんな、「観察」に測定が加わると「観測」に代わり、主に星といった天文や気象などを注意深く見続ける行為を意味するものとなります。
「観察」の例文
・『私は、子どものことから天体観測に興味があり、この大学を選びました。』
・『小学校時代の夏休みの宿題と言えば、あさがおの観察日記が思い出されます。』
・『無事、手術に成功した父ですが、今後は経過観察を続ける必要があります。』
・『蛍は、静かに観察してください。』
「観測」の例文
・『子どものころ、南極観測隊に憧れました。』
・『大気の状態を調査するために観測気球を上げることにしました。』
・『社会見学で初めて、気象観測所を見学し気象の楽しさを知りました。』
・『本格的な天体観測を行った時の感動は忘れられません。』
まとめ
以上が「観察」と「観測」の違いです。
対象となるもの、そして、見続ける行為の中でも、どのように見続けるのかによって、「観察」と「観測」には違いがあります。
そして、「観測」は、あくまでも、「観察」が前提にある行為であるということになります。