この記事では、「言質を取る」と「言質を得る」の違いを分かりやすく説明していきます。
「言質を取る」とは?
「言質を取る(げんちをとる)」とは、「交渉・議論などで、後から証拠として提示可能な発言を相手から受け取ること」を意味しています。
「言質を取る」の「言質」は「言葉で人質・抵当になるもの=後から証拠になる発言内容」の意味を持っていて、「取る」は「相手から引き出す・(引き出して)自分のものにする」を示しています。
「言質を取る」の使い方
「言質を取る」は、「利害が対立(競合)している相手などから、後から言い逃れできない形で証拠となる言葉を受け取ること」を意味して使います。
「言質を取る」とは、「後から相手が約束を破ったり矛盾した発言をした時に、証拠として突きつけられる言葉を取ること」の意味合いで使う慣用句なのです。
「言質を得る」とは?
「言質を得る(げんちをえる)」とは、「相手が後になって前言を翻した時に、『あの時にはこう言っていたはずです』と証拠として突きつけられる言葉を獲得すること」を意味している慣用句です。
「言質を得る」の「言質」は「言葉で人質・抵当になるもの=後から相手の矛盾を証明できる言葉」の意味を持ち、「得る」は「(相手に発言させて後で使える証拠を)獲得すること」を示唆しています。
「言質を得る」の使い方
「言質を得る」の使い方は、「矛盾した発言をする相手に対して、後でその矛盾を証明する言葉を聞き出し獲得すること」の意味合いで使います。
例えば、「すでに言質を得ているので、この約束は必ず相手に守らせます」といった文章で使用することができるのです。
「言質を取る」と「言質を得る」の違い
この二つの表現は両方とも、「後で相手の矛盾した発言(約束を破る手のひら返し)に対して、証拠として出すことができる言葉を引き出すこと」を意味している同義語です。
「言質を取る」という慣用句の言い回しは、「言質を得る」という言い方に言い換えてもそのまま意味は通じますが、「取る」と「得る」には若干のニュアンスの違いが存在しています。
「言質を取る」の慣用句には、「相手の不注意(ミス)によって、ある程度偶発的に証拠となる言葉を手に入れる」といった意味のニュアンスがあります。
それに対して、「言質を得る」というと「相手の不注意(ミス)よりも、自分の計算されたやり取りによって能動的に、後から証拠になる言葉を引き出して獲得する」といったニュアンスが強くなる違いがあるのです。
まとめ
「言質を取る」と「言質を得る」の違いを詳しく説明しましたが、どうでしたか?
「言質を取る」と「言質を得る」は「後から相手に約束を守らせるための証拠となる言葉を引き出すこと」を意味する同義語ですが、「言質を得る」のほうが「言質を取る」よりも「能動的に相手から言葉を獲得する」のニュアンスが強くなっています。
「言質を取る」と「言質を得る」の違いを知りたい人は、この記事をチェックしてみてください。