この記事では、「訓練」と「研修」の違いを分かりやすく説明していきます。
「訓練」とは?
「訓練」には2つの意味があります。
一つは、ある事を教え、継続的に繰り返し行い、その事柄を身につけることです。
盲導犬を育てることで考えてみます。
盲導犬に適していると判断された犬は、訓練士と呼ばれる人からいろいろなことを教えられます。
たとえば、段差があるところではそれを知らせる、障害物を回避する、呼んだらすぐに利用者のもとに来るなどです。
こういったことを何度も行って身につけていきます。
この行為を「盲導犬の訓練」といいます。
教えられたことは、それが身につくまで何度でも繰り返し練習をします。
一度だけしかやらないことは「訓練」とはいいません。
もう一つの意味は、技能や能力を身につけさせるための組織的な教育活動のことです。
「職業訓練」がこれにあたります。
たとえば、金属加工の技術を身につける、航空機を整備する技術を身につけるなどがあります。
「訓練」の使い方
ある事を教えて、それを何度も繰り返して行い、身につけることを指して使用する言葉です。
芸事や習い事も何度も繰り返し行いますが、これらには使用しません。
「研修」とは?
「研修」には2つの意味があります。
一つは、職業上必要な技能や知識などを身につけるために、一定期間、勉強や学習をすることです。
また、そのための講習を指します。
飲食店に正社員として入社した人のことで考えてみます。
この飲食店では、何段にも重なったソフトクリームを提供しています。
このソフトクリームは練習しないと作ることができません。
また、この飲食店では接客を非常に大切にしており、チェーン店であるにもかかわらず、マニュアル通りではなく、その時々の状況にあった対応をすることが求められています。
自分で考えて行動しなければならず、これを身につけるためにも練習が必要です。
こういったことを身につけるために、実際に店で働く前の一定期間、別の場所で学習を受けました。
この行為が「研修」です。
もう一つの意味は、入国管理法における外国人の在留資格の一つです。
「研修」の使い方
職業上必要とされる知識や技術を身につけるための学習や、その講習を指して使用する言葉です。
職業上必要とされていない事柄に関する知識や技術を身につけることには使用されません。
「訓練」と「研修」の違い
2つの言葉は、練習するという意味合いを持っていますが、意味は違います。
前者は繰り返し行って身につけることです。
後者は、職業上必要とされることを身につけるために、一定期間行われるものです。
「訓練」の例文
・『訓練を受ける』
・『厳しい訓練』
・『芸を覚えさせるために訓練する』
・『数か月間の訓練があった』
「研修」の例文
・『研修を受ける』
・『研修期間中だ』
・『研修が終了した』
・『研修医』
まとめ
2つの言葉は、練習するという意味合いを持っていますが、それぞれ意味が異なり、置き換えて使うことはしません。